Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

私の右手が出るとこだった、握力17だけど。 ページ22

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｢あ、｣

『あ。』

葛葉｢………だれ、｣

｢元カレ。｣

葛葉｢あー、なんか言ってたな。経験はある、みたいなこと。｣

｢やめて、ほんとに。｣

葛葉｢なんで別れたん？｣

｢んー、………愛とか、恋とか、そーゆーのがどうにも、子供っぽくて。真実の愛とか、愛のキスで目覚めるとか、子供騙しって思うし。なんていうか、そーゆーの考えてたら、バカみたいだなと思っただけ。だから、葛葉たちの感情も、坂城さんに向けてた想いも、馬鹿だなって思うんだよ。｣

葛葉｢昔から変わらんのね、お前って。｣

｢………んはは、変われたら、苦労なんかしないっつーの。｣





世界は狭いとはよく言ったものだ、本当に狭くて仕方がない。そんなことを思いながらの帰り道。ほんの少し甘いものを食べたくなって、寄り道して。その途中で再会したのは元カレでした〜ってね。まぁそんなことは良くて、あ、なんて声を出しながらも、葛葉くんと並んでいるのを見て、そそくさと消えたのを見た。なんで別れたのか、という言葉に、少し頭を悩ませていた。多分これは、私の身勝手な、勝手すぎるような考えだ。それを、彼に押付けたからだと思う。親の語る愛とか、童話の愛とかに憧れていたはずなのに、どこで間違えたのだろうか。そんなこと、誰にもわかるわけが無いのだろう。




大人になるにつれて、というかまだ子供だけど、高校生になって、どうにも子供っぽく思ってしまう。恋とか、愛とか、そーゆーの。憧れていたはずなのに、どうしてだろうと思いながら、アイスを一口食べる。口の中にじんわりと広がる甘みがどうにも寂しく感じながら、馬鹿だなぁと思ってしまう。はは、と笑いながらそんな話をしながらも、手を伸ばされてはアイスを一口勝手に食べられる。しかも結構ガッツリ持ってかれたのを見て、は？としてしまった。｢うま、｣と言いながら歩いていくのを見て、なんだこいつ、と思った。





｢私の右手が出るとこだった。｣

葛葉｢お前抵抗も出来てなかったろ。｣

｢握力17だけど。｣

葛葉｢お前、虫とか倒せる？大丈夫か？｣

｢まって、葛葉君にだけは言われたくなかったかも。まじで、不名誉。｣

葛葉｢ふざけんな、おい。お前よりかは力あるわ。｣

｢それは、………そうだよ、勝てなかったし。｣





葛葉くんには勝てると思ってた私がいたけど、実質的というか、負けてたなということを今更思い出す。とても悔しくてたまりません、先生。

やめてください！私はまだピュアなんです！！→←ふざけるな！！！コノヤロウ！！

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