ふざけるな!!!コノヤロウ!! ページ21
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甘い、甘い、甘すぎる。
どうしてこうも、想い人を見つめる瞳は、甘いのか。そんなのよく分かりもしない。私が何をしたのだろう。その事を考えた。なぜならば、葛葉くんがこちらへ歩み寄ったと思えば、距離感バグでも起きました?というレベル。そこまで私も馬鹿じゃないのよ、と言いたくなるほどに、それはあからさまである。何がどうしてこうなったのだろう。それに頭を抱えながらも、当たり前のごとく隣に座られては、指を絡められて、手を紡がれる。それに、甘さを感じては、胸焼けさえしてしまいそうだ。うぇ、としながらもふざけるなと言いたかった。
「私なんかしたかな、葛葉くん?」
葛葉「別に。」
「別にで、手をつながられても困るのよ。」
葛葉「気分。」
「はぁ〜〜??ねぇ坂城さん、ちなみに去年はどうでしたか。」
坂城「去年からお変わりない様子ですねぇ。」
「お前はこれでいいんか!なぁ!!」
葛葉「うるせぇ。」
「もうやだぁ!!」
揺らいでしまったその心情に対して、私は何を考えていたのだろう。甘い、甘いの嫌い、けどそれはきっと甘美すぎるもの。触れ方も、見つめ方も、何もかも。本来ならば、向けられてどうしよう!?とかなるかもしれないが、お生憎様こちとら性根まで腐っている、人としての最底辺な私である。そんなもの一切感じずに、むしろやかましいと感じてしまう時点で、全てを物語るのだろう。いらない、そーゆーの。そんな感情邪魔でしょう?と吐き捨てたかった。なぜなら、元彼はそーゆー男だからだ。傷ついたとか、泣くほど好きとかそーゆーのでは無かった。ただ、恋人という関係性に意味があるのか、という問いかけに、答えがないからである。
面倒臭い人間になったな、と自分さえも思う。愛がなくたってキスはできるし、そーゆーことも出来る。現に、愛がなくても抱かれたのが全てを語る。下らない、と吐き捨てられたのなら良かったのだろうか。それとも人間の性か、何かは知らんが、安全圏を欲していたのかもしれない。そんな心情を抱きながら、馬鹿の一つ覚えのようにと、感じたその視線。昼休みでご飯を食べていたのなら、扉を少し開けたままこちらを見つめる不破くん。葛葉くんがここに居ることが珍しいのだろう。意外だ、と言いたげのような顔をしていた。声をかけようとする前に、女の子たちに声をかけられ、笑みを浮かべてそちらへ答える姿を、私はまた見つめるだけにした。
私の右手が出るとこだった、握力17だけど。→←人という生き物は、きっかけがあれば変わることの出来る生き物である。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時