Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

人という生き物は、きっかけがあれば変わることの出来る生き物である。 ページ20

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バサバサバサ。
もし、例えるのならば、その音だろう。まるで、アニメや漫画みたいな音。それを聴きながら、私は見上げていた。白いような髪の隙間から覗く赤色が、私をずっと見下ろしていた。机の上に載せられた、数多の教科書類。それでいて、ノートに参考書。それに筆箱を、彼は置いていた。それが何を意味しているのか、私は理解が追いつかずにいる。でも、それは私が求めていた結果だった。何度も、何度も求めていたものが、手を伸ばせば届く場所にある。




ガタンッ、音を立てたのは、私では無い。叶くんである。まるで、なんで？と言いたげな表情と、周りの感情に、彼は少し恥ずかしそうにしていた。耳をじんわりと、瞳のように赤く染めていた。それを見つめながら、最初にこの静かな空間を破ったのは、誰だったかな。いや、誰じゃなくて、私なのに、なんでだろ。多分きっとそれは、嬉しくて声のトーンが上がっていたのかもしれない。それとも、酷く冷静だったか。ほんの一瞬の気の迷いか、それとも、一瞬の瞬きか。そんなことをぼんやり考えながら、私はきっとにんまりと笑っていたのだろう。どうだ、見てみろというように、叶くんを見てやるんだ。





｢まずは一人目、てね。｣

葛葉｢うるせぇ。｣

｢叶くん、どう！？どう！！ねぇ！｣

叶｢………葛葉、どーゆーつもり？｣

葛葉｢なにが。｣

叶｢どーゆー風の吹き回しかなぁ、って。｣

葛葉｢さーな。｣

｢これで！！これで解放で頼む！！都ちゃん先生っ！！｣

『あと3人かぁ。』

｢うぁあ……………！！！！！｣





それでもやはり、希望というものは打ち砕かれた。涙を流す他ないだろう。葛葉くんが授業をちゃんと受けるという意志を感じながらも、叶くんを見たのなら、なんかバチバチしてる。なんだなんだ、としながらも、予鈴と共に入ってきた都ちゃん先生に、もうこれでどう！？としても、残り3人の言葉に、私はその場に崩れ落ちる。なんでだよぉ！としながらも、テスト受けさせたら、の言葉を思い出しては、暴れたくなる。そんなことしたら叶くんに怒られるから、しないけどさ。




びえびえとしながら、自分の席に座る。なにをどうして、私こんな気持ちにならなければならんのだ。そんなことを考えながら、ため息をはき出す。私のこのバカみたいな学校生活は、いつになったら終わるのだろう。｢大変なんだね、槙野さん。｣と坂城さんに言われ｢お前のせいだ。｣と言えば、にこやかに笑ってた。解せぬ。

ふざけるな！！！コノヤロウ！！→←case 21 ／ 焦がれる灰色。

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