Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

それは誰のためですか。 ページ17

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ふとした時に思うことがある。
なんで私はこんな事をしているんだろう、と。留年の危機だからなのはわかるが、それでもこれは私の仕事なのだろうか。まぁ別に仕事にしたって、私のあれだとしても、違うんじゃなかろうか。なぁ、て思いながらも目の前の都ちゃん先生から目を逸らしていた。どうやら先週他の生徒を叩いたのが、やはり報告に入ったらしい。けど私は悪いとは思ってないしな、とぼんやりとしたような思考回路。ゆらゆらと揺れ動くようなあかりと、それから無音の世界を包み込む。見つめて、目を逸らして、ごくりっと唾を飲み込む音だけが、響いていく。がらんっ、とした空白のそこはもしかしたら、世界から切り離されてしまったのかと疑ってしまうほど。それを壊したのは、なんだったっけな。





『ほかの生徒殴ったってホント？』

｢実質的には叩いただけですもん。｣

『ただえさえ問題児なのに。』

｢私とあの4人比べたら、私はまだマシでは？｣

『そーゆーことじゃないの。それに、あなたが殴ったグループもちょーっとした問題児なのよねぇ。問題児と因縁があるの？』

｢問題児多すぎだろ、この学校。｣

『まぁそれなりにボンボンな学校だから。』

｢ゴミかなぁ。｣





そんなことばかり、はなしていて。
吐き出した息は、何色か。抱きしめることも出来ないようなそればかり。温もりを知らぬかのような、小さな子供が体を震わせているようなそれなのだろう。手首から流れ出るような赤色さえも、きっと意味をなさないように。都ちゃん先生曰く、｢何かあると怖いから、1人で行動しないように。｣ということらしい。つまりは報復があるかもしれない、ということ。それを心配しているのを聴きながらも、まぁ別に今更の話では？と思う。何を、今更にと思いながらも、ハイハイとしていた。例え何かあっても、彼らの改心を逃れられるようにはならないだろうか。なーんて、思いながら、テキトーな感じ。叶くんたちが助けてくれるだろうし、と思ってしまうから。




膝を抱えて震えてる子供を見下ろすことしか出来ないのではなく、それしかしないような私。関わりたくない、と言うようなものではなく、単純なる興味のなさだろう。そんなことばっかり考えながらも、変わらないような時間の過ぎ方。ちくたくと鳴り響くような、そんな音を聞きながらも、きっとその微睡みや、ぬるま湯に浸かっていくだけなのだろうか。まぁそんなのも、知らないけれど。

ぶん殴って、愛。→←どうにもならない世界の端っこで私たちは息をする。

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