Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

あなたにはあなたの事情があるように。 ページ13

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死んだはずの恋心たちが、まるでゾンビのようにと蘇る、なんてやはり馬鹿な話だと思う。それをぐちゃぐちゃにして、引き裂くようにと吐き出した、ナイフのような言葉の羅列は、果たして君たちに致命傷をおわせる事が出来ただろうか。そんなことも、どうでもいいと思いながら、私は彼らの家の前にいた。そしてなぜか隣には坂城さん。まるで久しぶりに来た、と言いたげな顔で、にこにこしているのを見て、まぁこの子も人間かと思う。そんなことは無いんだけども、それは当たり前なんだけども。これ以上拗れないでくれ、頼むと願いながらも、彼女はこちらをじーっと見つめるから、首を傾げてしまった。なによ、と思いながらも、にへらっと笑ってみせたのを見つめる。





坂城｢槙野Aちゃんっ！｣

｢そうですけど、｣

坂城｢ホントなんだね。4人のこと改心させようとしてるの、｣

｢まぁ、じゃなきゃ5人仲良く留年なんで。｣

坂城｢………え、それほんと？なんで？｣

｢あなたが1番知ってるんじゃない？元々のサボり癖は軽度であれど、あなたとのことがきっかけで、なおさらに来なくなった、て私は聞いてるけど。｣

坂城｢あー………、なるほどね。｣

｢まぁ私は、君もあいつらも、過去のことズルズル引き摺ってて馬鹿だと思うけど。今を見れてない人間が、これからのこと考えられるわけも無いのに。｣





そんなことを言いながらも、彼女は変わらずにこちらを見上げていた。まるで、違うといいたげな顔をする。きっと、よくあるやつ。この子だけは違う、みたいなそれの期待したような瞳を向けられるから、私はそれから目を逸らして違うと言いたくなる。それでも、その期待に答える訳でもないけれど、少なくとも違うとは思うんだけどさぁ、とあれやこれや考えて。ピンポーンと鳴らしたインタホーン。足音は聞こえど、出てくる様子もない。




ドアノブに手をかけて、ガチャガチャとしている坂城さんを見つめながら、鍵を取りだして勝手に開けた。これも、いつも通りのこと。変わらない、普遍性でしかない当たり前。それに目を見開いたのをみたあとに、｢あなたにはあなたの事情があったように、彼らにも事情はあった。どんな事情であれ、人の好意をバカにして、踏み躙るという行動は、どんな人間であれしちゃいけなかった事じゃないの？｣なんて言葉に、彼女はまた目を見開く。




ぎゅうっと、鞄を持つ手に力を込めて。

｢ムカついたから！！｣→←私天才だから、分かっちゃったんだなぁ。

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