私天才だから、分かっちゃったんだなぁ。 ページ12
.
人間観察なんて、別に好きなんかじゃないし、どうでもいい。どこの誰が何をしていようが、何を思っていようが、興味もない。けれど、叶くんが「少しは周りのことを注意深く見てごらん。少しは、人間がなぜそれをしたのか、どうしてそう思ったのか、わかる要因が隠れてるから。人間は理屈を並べたがる。理由もなく行動に起こすのは、君みたいな馬鹿しかいないんだよ。」と、言われた。馬鹿ってなんだよ、理由ならあるわ、留年回避のためだわと思いながらも、ため息を吐きだす。そもそも他人なんか気にしてる余裕なんてものは無い。テストだってあと数回しかないのに、彼ら4人を受けさせろという難題は、むしろ振り出しに戻った気がした。どーしよ、と思いながら、次の移動教室のために廊下に出る。後を追うようにと出てきた坂城さんは、目を見開いた後に、目を伏せ、また笑った。
まるで、会いたくない人に会ったかのような、それ。目線を動かしたのならば、他クラスの一軍と言えるであろうグループ。チャラチャラしてるなぁと思っていれば『杏梨じゃん、マジで帰ってきてたんだ。』カッコ笑、とかつきそうな笑い方。「そう〜帰ってきたの〜、」て明るく笑ってみせるのを見て、私ピーンっと来てしまった。去年彼女が話していた相手は彼らだろう。それに、坂城さんが葛葉くんたちといて楽しそうだった、のも嘘では無いんだ。きっと、ほんとに心配してて、ほんとに楽しかったんだと思う。噂はあれど、坂城杏梨は悪い子では無いことは分かっているから。積極的に人の手伝いをしたり、素直に分からないと言いながら、誰かを頼る姿を見たから。それなのにアイツらは意地を張っているけど。
「なるほどねぇ、探偵になる気はないけど、向いてるかも。」
叶「あぁ、坂城さんのこと?」
「弱者はやはり強者に淘汰される、人間の世界でも変わらんのね。弱肉強食ってやつ?」
三枝「あーね、まぁでもそれを選ぶのは本人次第でしょ?」
「………まぁいいんじゃない?人間って馬鹿しかいないから、気づかないでしょ。」
アクシア「普通よりも馬鹿なのに、人のことバカに出来ないのにねぇ。」
「うるさいよ。」
エクス「まぁ、そんなものでしょ。」
私が、そうじゃないだけであって、きっと周りの子達は取り繕うのに必死なのだろうか。果たしてそれは友情と言えるの?なんて問いに、きっと皆して黙ることなんて、分かっているのよ。
あなたにはあなたの事情があるように。→←捨てて、拾って、また捨てて。
1636人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時