土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ8)

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土ボコを愛せよ。ページ8

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｢や、私は土ボコを推していきたいっすね。｣

叶｢土ボコ以外の魔法を使いなさい。｣

｢いや、でもやっぱり、土ボコと2年間共にしてきたんで。｣

葛葉｢なんだこいつ、往生際が悪すぎるぞ。｣

｢まぁいーじゃないですか、私は先輩たちみたいに種類が豊富〜、とか。1個1個強い〜とかじゃないんで。｣

叶｢…………そうだね、君は、普通だもんね。｣

一線を引いたと感じた。
微かな笑みを浮かべ、分かっていたというようなそれを感じる。先生たちから言われて2週間が過ぎていた。筋トレや体力作りをし、魔力も増していくのを感じる。魔力を蓄えるというのか、その器がコップサイズから、丼サイズになった気分だ。まぁそんなことを考えながらも、他の初級魔法を使えと言われるが、私は土ボコをやった。どうやら魔力の制御というのか、調整が上手くいかずにいて、横に長い土ボコが出来る。オーマイガーと思いつつも、こぼれた言葉。先輩たちみたいに、というと、それは私という存在と彼らという存在は、違うという言い方だ。目を細めながら、彼らの反応を見る。葛葉先輩は、目を伏せ何も言わずにいて、叶先輩は一瞬悲しそうに見えたけれど、そのあと笑っていた。それを見て、嗚呼、自分に言い聞かせたんだな、ということを感じとる。

まだ踏み込んではいけない。天才と凡人という差を意識させて、それからだ。まだ、焦るな私。まだ彼らは、叶先輩たちはまだいい方の内容だ。故意的に◆◆◆市を消滅させたわけじゃない。それだけはわかる。他の人たちの中には、故意的に人を殺めた人もいるし、故意的ではないにしろ、守るにしろ、直接手を下した人もいるのだから。もし私は今何をしようとしているのか、という問いかけに、数年前から十年前ほどの事件について、本人たちから聞き出そうとしている。まぁ目的はなんであれ、仲良くなるのはごめんだけれど。

｢私、初級魔法は他のもちゃんと覚えてますし、ほら。共通魔法の、防御も出来ますし、浮遊も出来ます。前は、そんな長い時間持たなかったんですけど、ほら、ちゃんと出来てますから、ね？｣

叶｢ほかの魔法、使いたくないの？｣

｢まぁ、はい。なんというか、今魔力の調整が出来ない状態で使って、誰かを怪我させたり、なにか起きたら嫌なので。｣

葛葉｢ふーん、お前なりに考えてるのな。｣

あんたたちみたく、大きな事件みたいなの、起こしたくないだけですよ、ばーか。