土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ5)

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私の涙も軽いものではない。ページ5

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私にもね、プライドってあるんすよね、先輩方。

｢いや、ガチ本気で計画練らんでもらっていいすか。｣

加賀美｢今いいとこなんで、少し静かにしててください。｣

｢やばいどうしよう、右手が出そう。｣

叶｢やっぱり魔力を先に高めてじゃないと危ないと思うんだよね、僕。｣

葛葉｢そうだな、土ボコで疲れてるんじゃ、やべぇーだろ。｣

｢土ボコにだっていい所はありますよ。｣

三枝｢そうかもやけど、そもそも、扱える魔法の問題なんよねぇ。｣

｢私って可哀想だと思いませんか、甲斐田先輩。｣

甲斐田｢うーん、土ボコはなぁ。｣

なんだこの気持ちは。
初日で何を見せられてるんだ。目の前で真剣に話し合う先輩たち。それを見つめながら、私は体育座りをしていた。涙を流しながらである、流してないけど。本当に悩みの種にしちゃったな、と思っている。そんなことを思いつつ、甲斐田先輩に言うと、やはり土ボコはダメらしい。なんでだよ、私が必死に育ててきた、レベル15の土ボコやぞ。いいよな、先輩たちは。それぞれの魔法がカンストとかしてるレベルだもん。羨ましいよ、と思いつつも、どうやら計画は決まったらしい。次のトーナメント戦までに、私を戦えるようにしろ、ということらしいので。

初日から体力作りに決まった。魔力と体力は結びつくため、基礎体力となるのだろう。担当は叶先輩と葛葉先輩である。それでいて、土属性の魔法を教えてくれるのは、加賀美先輩であり。ほかの属性魔法を教えるのが、三枝先輩や甲斐田先輩だとか。それに、いや、土だけでいーっす、と思いながらも、私の願いは届かないことだろう。そもそも、トーナメント戦で戦えるぐらいの場合だと、ほかの属性魔法も使えるようにならないといけないんだが。

｢まぁその、お手柔らかに、優しく、お願いします。｣

叶｢はぁい、よろしくね。｣

葛葉｢体力作りで逃げ出すに賭けていい？ふわっちどうする？｣

不破｢んぇ、あー、まずそもそも逃げ出すに賭けましょーかね。｣

｢私にも意地はあるっすよ、先輩方。私、私にだってやる気は、ないです！！！出たくない！トーナメント戦！！嫌だ！！｣

甲斐田｢開き直りが凄いんだよなぁ。｣

｢私、卒業したら畑耕しながら田舎暮らしするんで。｣

三枝｢………いいね、いい、夢だね。｣

三枝先輩は、悲しそうに笑っていた。なんでそんな顔、すんだろって思ったけど、予想はついている。