土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ28)

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方向性の違い、ってやつです。ページ28

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夢追先生とオリバー先生にまた呼び出されては、進捗を聞かれた。まぁまぁ、すかねって答えれば、手で顔を覆い、頭を抱えてるような感じ。何をそんなに悲しんでるんだ、先生は。別に、やろうと思えばやれる事は明確だった。けど、それなりにテキトーこなしているだけ、それだけでいい、とさえ私は思う。普通に過ごしたいのだ、任務とかも目標とかも、そんなの無視をして。それだけ生きていたいのに、それをどうして人は、結果を残せ、というのだろう。そんなことを、ぼんやりと考えていた。それと、というようにオリバー先生に見つめられる。少し怒ったような顔をしていたけど。

オリバー｢ついこの前、魔法を使っての喧嘩もどき、したんだって？｣

｢決闘です。｣

夢追｢魔法決闘の時の校則、忘れたわけじゃないでしょ。靴下のことだけで、校則にはこう書いてある、て指摘してたんだから、内容覚えてるよね？｣

｢まぁ、はい。魔法決闘は、教師立ち会いの元行うこと。尚且つ、決闘理由が明確では無い限り行ってはならないとか、ですよね。｣

夢追｢それで、決闘理由は？｣

｢方向性の違いです。｣

オリバー｢バンドの解散理由だよそれはもう。｣

｢やっぱ、熱意とかって違う人とは、仲良くはね、なれないんでね。｣

呆れた、と言いたげな顔をされてしまった。それに、なんでだよ、と思いつつも、魔法を使っての喧嘩、にきっと健屋先生が話したんだろうな、てことだけは明白だった。怒られたし、あの人にも。それに、否定はしないでおけば、夢追先生に校則について言われる。知りませんでした、とか言えれば良いのだが、校則での靴下について討論したことがあるため、しらを切ることが出来ないのである。私はちゃんと読み込むタイプゆえ、だ。何を言われても、校則にはこう記されてます、てするためなのだ。なんでなのか、て言う問いかけに、方向性の違いとしか言えずにいた。言えるわけが無いだろう。過去を探ってたらバレて怒られて魔法使われた、とか。完璧に悪いのは私なんだし。

それに、ため息を吐き出しつつも、はいはい、とするしかない。夢追先生に｢僕らは本気で怒ってるんだよ。右腕だって、痺れは少し残ってるんでしょう？｣て言葉に、健屋先生を恨んでしまう。あの後からも、右腕がたまに痺れたように感じる。多分、ほんとに魔法が残っているからだろう。はは、と乾いた笑みを浮かべた後に、目をそらす事しか出来ずに居た。