土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ26)

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僕らにとって、大事な子。ページ26

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赤城 side

君が思っている以上に、僕らは君が大事だし、君が地獄に行くって言うなら、僕らは地獄までついて行くんだよ。知らないと思うけど、君はあまりにも普通だから。秀でてる才能も魔法もなければ、そこまで魔法が上手いわけでもない。ほんとに、何も無い子。お腹いっぱいになってぐっすり寝ちゃってるのを見下ろす。頭を撫でたのなら、擦り寄るからそれに笑みを零した。僕らの大事な子、僕らが守るべき子。右手にされたぐるぐる巻きの包帯を撫でるように触れる。こんなことされて、と思うがそもそも素手で、物理で対抗するのは悪いとこだよ、君の。

赤城｢Aちゃーん、起きな？寝るなら部屋で寝なね、｣

｢うぅん……………、ねむい、赤城くん、だっこぉ。｣

赤城｢抱っこぉ？｣

宇佐美｢んははっ、お眠ちゃんだなぁ、｣

緋八｢俺が連れてったろか〜？｣

｢誰でもいい、ねむい。魔力使いすぎて、疲れてるもう………。明日、魔法実践授業あるけど、魔力使うのやだぁ〜………。｣

佐伯｢あらら、オレらは明日〜……選択授業何にしたっけ、｣

緋八｢覚えてないわ、Aちゃ〜ん？連れてってあげるから、ほら、｣

｢やだぁ…………、緋八くん、揺れる………。｣

緋八｢めちゃくちゃは人の善意踏みにじりますやん。｣

眠たそう声を漏らして、手を伸ばして僕のローブを掴む。ぐりぐり、と肩に顔を押し付けられる。頭を撫でながらも、魔力使いすぎて、という言葉。魔力の器が広くなろうとも、魔法を使いすぎての倦怠感は拭えないだろう。Aちゃんを抱き上げては｢寝かせてくるね。｣と言葉を残して、食堂を出る。部屋へと向かい、入ってはベッドに寝かせた。もう既に寝ているのかなんの反応も示さないAちゃん。すぅすぅ、と寝息を立てているのを見つめては、頭を撫でる。まだ、幼い子供に見えてしまうから。前髪を退かして、おでこにキスをする。擽ったそうに縮こまるのを見つめた。

これは、僕らだけの秘密。布団を掛けてあげて、部屋を出る。食堂へと行けば、ノートを取り出して纏めている三人を見た。本当はみんな真面目なんだよなぁ、と思いつつ、席に座る。｢おかえり〜、寝とった？｣の言葉に｢すやすや。｣て返す。あの子が望むなら僕らは地獄にだって行くよ、て何回でも言う。けどきっとそんなこと言ったなら、Aちゃんは嫌そうな顔で｢来ないで。｣て言うんだろうな。