｢すいません、先輩の優しさ、利用させてもらいました。｣ ページ19
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｢まじ、ありがてぇーっすわ。殺す気で来てるってことだけは、確かっすよね？｣
叶｢流石に殺しはしないよ。けど、戦意だけは消失させないと、Aちゃん諦めないでしょ？だから、ね、諦めて、｣
葛葉｢叶、抑えろよ。｣
叶｢あの時よりかは、扱えてるよ。っ、葛葉！！！｣
｢さーせん、私にも事情ってあるんすよね、｣
それは、あまりにも優しい、笑みだった。
まるで、人の命を尊く感じ、それでいて大切にするような、柔らかな笑みだった。それを見つめながらも、戦意喪失なんてことを言われるが、もうすでに魔力はない。身体も痛いし、ボロボロだし。防御魔法さえも使えないだろう。だから、だから私は。私はね、先輩方。
杖を投げ捨てた。
それに目を見開いた時には遅いだろう。走り出して、聖と闇を複合している最中に突っ込む。葛葉先輩は魔法を使っているから、こちらへと対処はできない。それでいて、脅かす程度のつもりの、ソレ。聖と闇の複合魔法、
｢はっ、はぁーっ！！すいません、先輩の優しさ、利用させてもらいました。｣
叶｢い、まのは、さすがに無茶しすぎ。僕だからいいけど、僕以外だったら、構わず魔法を撃ってた。｣
｢うぐっ、｣
叶｢それに、闇魔法に触れちゃいけないって注意忘れたの。素手で触って、ほら、右手。黒く染って、｣
｢戦意喪失でいいすか？｣
葛葉｢っ、わーったよ、オレらの、負けだ。叶、直してやってくんね、オレのミス。｣
叶｢…………うん、これは、完敗だね。手出して、うん、……治った。最後の最後、魔法じゃなくて物理対抗だとは、思わなかったな。｣
心臓バクバクしてるんだよな、これでも。
あのまま撃たれてたらどうしよ、と思いつつも、ローブは破けてるし、闇魔法に触れた部分の袖とかは、消滅してるし。おまけに、複合魔法が触れていた地面も抉られている。
これ、完璧に怒られてしまう。どーしよ、っかな！！
救うつもりも、助けるつもりもないっすよ。→←辞めませんけど。
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はちみつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます*ˊᵕˋ) (11月10日 21時) (
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年11月7日 20時
