土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ18)

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辞めませんけど。ページ18

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暴走か、あるいは制御不能か。
感情に触発されたようにと、叶先輩はこちらに杖先を向けたまま、一振りで光の弾丸が8発ほど。腕を掠め、足を掠め、髪の毛を掠める弾丸。これ、まじで負け確イベントじゃね？と思いつつ、葛葉先輩を見れば、まるで止める素振りもない。だから、これは暴走とかではない。叶先輩の本気なのかもしれない。泣きそうな顔をしながらも、私に魔法を使うのを辞めない叶先輩。避けれるわけもなく、防御魔法を使うも、ぱりん！と甲高い声を上げて割れていく。割れていく傍から修復をしろ、1度でもミスれ、死ぬぞと自分の心に言い聞かせていた。ただ、魔力もそこまで多くない。一歩踏み込む。そもそも、近づけないような遠距離魔法ならば、近づかれたのなら、少しは焦るだろう。

と、思っていた時期もありました。

はーい、ここでみんな注目。無闇矢鱈に突っ込むのは辞めましょう。死にます。そう、叶先輩が遠距離魔法のスペシャリストと言うのであれば、葛葉先輩は近距離魔法のスペシャリストである。闇魔法を纏った両手、右フック。防御魔法のバリアは、またもや割れて、そのまま私の腹に入ってしまう。地面に転がるようにと、また距離が出来た。この学校でのコンビネーションはほかの追随を許さないと言うほどだ。トーナメント戦でのダブル戦で、毎年優勝するだけはある。冷めた瞳が、私を見つめていた。げほっごほっ、と咳き込みながら、腹を抑えながら立ち上がる。

｢そーっすよね、簡単にいかないっすよね、｣

葛葉｢もう降参しろって。お前に勝ち目はねぇーから、｣

叶｢君が望むなら、ベッドの上から出れなくすることまで、出来るけど？｣

｢病院送り宣言されちった。｣

葛葉｢で、どうやって知ったんだよ、オレらの過去について。｣

叶｢教えてくれたら辞めてあげるから、｣

｢何言ってんすか、私まだ、負けてねぇーっすよ。｣

葛葉｢この状況でそれ言うか？｣

叶｢…………葛葉、準備して、｣

葛葉｢は、｣

叶｢なんで◆◆◆市が消滅したのか、わかると思うから。｣

胸元のポケットを確認する。カメラは起動したままで、メモリの空きもある。息を荒くしながら、ビリビリとした感覚を感じていた。死ぬかもしれないという感覚と同時に、どうしようないほどに高ぶっていることに、驚いていた。少量の魔力であれ、これはまずいと本能が叫ぶ。