土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ17)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:67,824 hit

部屋の端っこからお送り致します。ページ17

.

伊波 side

メーデーメーデー、透明魔法でなんとか存在がバレてない、伊波ライです。こちらは、これから叶さんと葛葉さんＶＳ篠原Aの、魔法決闘を実況していこうと思います。

両者睨み合いながらも、先に動いたのは叶さん。先程見せた光の弾丸を2発ほど。防御魔法を発動するも、バリアを貫通する2発。それに、唾を飲み込む。その隙を見逃すことなく、即座に葛葉さんが闇魔法を凝縮させた玉を投げていた。いや、あの、ちゃいませんか、それ。それ、ありなんすか？と思っていれば、魔法に反応したのか、Aちゃんの防御魔法に触れた瞬間、大きな爆発が起きる。魔力を蓄積させたものは魔法に触れた瞬間、反応するとはいうけど、こーゆー使い方は初めて見たな。これは、少しばかり圧倒的すぎないか？初級魔法しか使わない子と、上級魔法から応用まで使いこなす先輩たち。これは、流石に一方的すぎる。

ここで出ていけば、きっと辞めてくれることは分かっている。けど、目の前の大きすぎる力に、足は震えていたから。爆風の煙の中から、ボロボロになりながらも立ち上がったままのAちゃん。地面からの盾の大半は吹き飛びながらも、得意げに笑っていた。

｢土ボコも、盾にはなるんすよ、先輩方。｣

葛葉｢防げなきゃ意味ねぇだろ、｣

｢はは、じゃあ次私の番っすよね。｣

叶｢土ボコしか出来ないでしょ。もう辞めな？勝てる見込みはゼロなんだし。大丈夫、少し抉るぐらいだから。｣

｢私のこと、舐めんで下さい。｣

葛葉｢っ、叶！！｣

叶｢ズレた、っ、………僕が教えたやつ、｣

｢私そこまで馬鹿じゃないんで！！先輩方みたく、魔法に選ばれたわけでも、愛されたわけでも、特別なこととか一切ないんで！！あんたらの気持ち、死ぬほどしらねぇーんで！！黙って、事件のこと吐いて貰えたら、それで終わりっすよ。事件ファイルNo . 0101、◆◆◆市の終着点、重要参考人！！叶、葛葉！！｣

叶｢ぁ〜〜もうっ、うるさいってば！！！！｣

ビリビリと、感じる。息をすることさえも苦しくなっていて、肺が潰れるかと思った。もうボロボロだし、次の攻撃でも食らったのなら、Aちゃんはきっと倒れる。出ていくタイミングを見計らいながらも、叶さんの魔法を打つタイミングで、足場を凹ませたAちゃん。その後の言葉に、苛立ちが募っていたのだろう。目の前が、真っ白になる。