土属性の魔法学生は平穏に暮らしたい。 (ページ13)

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バカらし。ページ13

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魔法というものは、奇跡であり災いである。

人が必死こいて頑張った文明も、魔法によりすぐに変わるのだから。だから、魔法使いたちは、非魔法使い、所謂一般人たちを守る義務がある。魔法生物といった類が存在してしまうこの世界で、私たちは何と戦っているのだろう。何のために、守っているのだろうか。普通の人間でも、自分の身の守り方は分かっているはずだ。そのための銃やナイフだろう。そのための、発明だろう。それを凌駕するのが魔法なのだが。劣等感、あるいは嫉妬か。街に出た際に、私たちを優しく歓迎する人たちもいれば、憎たらしそうに見つめる人もいる。魔法なんてものはそんな素敵なものでは無い。扱い方を間違えたのならば、叶先輩と葛葉先輩のように、市を消してしまうのだから。

んは、ばからしー。

｢ねぇねぇ、叢雲くん。考えたことってない？｣

叢雲｢何を？｣

｢もし、魔法使いじゃなかったら、てこと。考えたこと、ない？｣

叢雲｢んー、あるけどぉ、そこまで考えことないかもしれん。そもそも、なに？魔法やって悪いもんやないし。そもそも、魔法ってなに？って感じやない？｣

｢日本語かな、それは。｣

叢雲｢んはは、でもそれってさぁ。今の自分を否定しとるのとちゃいます？魔法使いの自分が居なかったら、って。なんや、寂しいと思わん？｣

｢そだねぇ、｣

手が、空を切る。
空に浮かぶ雲に手を伸ばしても、何も届かない。その手を握ることもせずに、見上げては、笑っていたのは叢雲くんだった。問いかけをひとつ零したのならば、彼は自分さえも否定することになる、と語る。確かになぁ、と思いつつも、テキトーなこと言ってそうとか思って。ぽすんっ、て肩に頭をのっける。叢雲くんは微動だにせず、気にせずに、わたくも君を撫でていた。使役魔法を得意とする叢雲カゲツくん、まぁ本人は魔法使うより素手で戦うタイプである。というか、あの面々は魔法はサポートのひとつであり、実力は素手とかだ。この脳筋どもが。そう思いつつも、はぁーっとため息を吐き出したら、｢そのため息吸ったら、僕幸せ舞い込んでくるかな？｣と言っていた。

お前は何を言うてる？？？

ただえ先輩たちのことだけでも面倒なのに、変なの、って思いつつも、脳裏に巡る。事件ファイルの記憶を確認しながらも、土ボコでどうにか出来るか、と言われたら、無理である。くそぉ、私にも誓約の呪いがあるんだぞ、という気持ち。