友達としての好き、だよ。 ページ10
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どーゆー意味の好きなの？て問いかけに、友達としての好き、だよって答えるのは何回目なんだろ。それにうんざりしながらも、多分きっとその好きは変わらない。変わるわけが無い。面倒だな、て思いつつも、午後の授業を受けて、放課後になって、SHRも終わって。昨日の部活の時に、今日スタバの新作飲みに行こって言ってたから、席を立ってイブのとこに行く。
｢いぶー、｣
イブラヒム｢ん、なに。｣
｢スタバ行こ、昨日新作飲み行こって言ったやん。｣
イブラヒム｢言ってたね、行くかー、じゃあ。｣
｢イブの奢り？｣
イブラヒム｢やだよ、自分で出して。｣
｢んふふ、分かってるってば。｣
鞄を肩にかけながら、行こって誘えば、確かにって感じのイブ。スマホを触ってたのをやめて、こちらを見上げていた。変わらないような対応や態度に、少しだけ安堵していたのは紛れもない、私だった。酷い女、って言われちゃうんだろうけど、そんなの知らないってしてる。立ち上がって、鞄を持ったの見て、イブの奢り？なんてジョーダンを言えば、やだよって素直に言う。うん、わかってるよ、私。そんなことを思いながら、2人並んだ帰り道。今日は寄り道をして、ってスタバに行ってさ。フラペチーノ頼んで、一口飲んで美味しいってしてた。新作を頼んだ私と、いつものを頼んだイブ。だから、気になるって思って1口飲む？て聞けば、何も言わずにストローに口をつけるから。減っていく中身がまるで、誰かの心が磨り減ってるように見えたのは、何でだろう。
馬鹿だな、そんなわけないのに。
否定するようにと言葉を投げかけてから、またフラペチーノを飲んだ。イブのもちょーだい？て視線をやれば、ん、て差し出されるから、口をつける。髪の毛を耳にかけて、ちゅうって吸って。喉を通った冷たさと甘さが、どうにも苦しく感じてしまうほどに。そんなわけないよ、て否定をして、｢美味しい｣て一言。｢でしょ、｣て得意げに言うイブに、作ったのは店員さんなんだけどな？て思ったけど、言わずにいた。私は、イブみたいにノンデリなんかじゃないから。優しいでしょ、てしながらも、フラペチーノを飲みながら歩いていく。夕焼け空が私たちを照らしながらも、変わらないような距離感。肩がぶつかりそうになるけど、でも、ぶつかりはしなかった。
それが、私にとってはちょうど良かった。けど、あなたにとってはどうなの？て、聞けなかったんだ、ずっと。
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作者名：ことり
| 作成日時：2024年2月8日 22時
