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「俺はその気あるって言ったら、お前はどうすんの。」 ページ6

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「イブ〜、おまたせダーリン、なんちゃって。」

イブラヒム「なに、こわ。」

「死ぬが、怖いとは。」

イブラヒム「間に合うとか珍しい。」

「まるでいつもは違う、みたいな言い方。」

イブラヒム「だってそうじゃん。」

「そうだけどさぁ。コンビニで何か買うん?」

イブラヒム「ルーズリーフ。復習してたら紙足らんな、て思って。」

「偉すぎかよ。」

イブラヒム「お前もやれ。」





改札を出て、いつもの柱を探せば、イヤホンをしながら寄りかかっているイブの姿を見つける。それに駆け寄っては、笑いながらジョーダンてするような、ダーリン呼び。それに、なんか変なもんでも食べた?て言いたげのような顔に、なんなんだ、としてしまう。イヤホンを外して、ポケットに入れてるのを見つつ、足を進めていた。昨日の帰りに寄ったコンビニに足を向けており、ウィーンと開く自動ドア。文具が置いてあるコーナーへと行き、ルーズリーフの種類を見つめるイブ。いつもは、本屋とか文具屋とかのを買うのにな、て。こんな朝じゃ、そもそも開いていないのか、ていうのを考える。てか、復習してんの偉すぎるだろ。




お前も、て言葉に分かりやすく顔を背ける。ついで、というようにとジュースとお菓子を買っては、そのまま足を進めていた。もし、中学から変わらないことがあるとするのならば、噂なんだろう。コソコソとしたような言葉は何時までもあるように感じる。あの二人、付き合ってるの?なんていうやつ。去年、文化祭でイブと回った時も噂されたな、って。2人して、こいつだけはない、みたいな言い方をしたのも覚えている。あとから、1人の時に本当にその気は無いの?て聞かれたのも思い出した。そんなもの、あるわけなかろう。そうやって思い出していれば、くいっと服を引かれる。それに立ち止まれば、目の前は横断歩道だった。





イブラヒム「あぶない。」

「ごめん、ありがと。」

イブラヒム「考え事?」

「去年のさ、文化祭で。一緒に回ってただけなのに噂されたの思い出してた。」

イブラヒム「あーね、」

「私たち、そんなの無いのにね。」

イブラヒム「あ、そ。」

「いぶ?」

イブラヒム「俺はその気あるって言ったら、お前はどうすんの。」

「え、」





何かが崩れそうな音がした。大事な、いつも通りが壊れかけるような、ぴしっとヒビが入るような、そんな音がした気がする。少しだけ、汗をかいたのを感じている。

笑えないジョーダン言わないでよ。→←モーニングコールで目を覚ます。



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作者名:ことり | 作成日時:2024年2月8日 22時

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