モーニングコールで目を覚ます。 ページ5
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ぷるるる、て鳴り響いたコール。それに、うーんってしながら起き上がる。昨日は電車乗って、そのまま真っ直ぐ家へと帰って、ご飯食べてお風呂入って、寝た。だから、これはアラームなんかじゃなくて、モーニングコールであることを私は理解している。うぅん、て声を出しつつ、電話に出れば、昨日の夜も聞いた声。聞き慣れている声で、頭が覚醒していくのがわかる。｢起きた？まだ寝てんの？｣ていう言葉を聞きつつ｢おきてる、｣て舌っ足らずな寝起きの声で返すと、｢寝てんじゃん。｣て言われてしまう。電話の主はイブ、いつもモーニングコールをして貰っている。なぜなら電話じゃないと私が起きないから。アラームはダメ、起きたのにまた寝てしまう。それに止めちゃうから二度寝をしてしまう。電話は切るまで終わらないから、てやつ。
｢おきた、おきたって。｣
イブラヒム『声は寝てるんだが。』
｢んなことないもん、｣
イブラヒム『そ、今日コンビニ寄りたいんだけど、どーする？早めに出よーって思ってんだけど。』
｢え、私も行きたい。｣
イブラヒム『んじゃ、８時に駅な。』
｢頑張る。｣
イブラヒム『無理なら連絡しろよ。』
｢あい、｣
短いような会話を続けながら、ベッドから抜け出してはリビングへと行く。お母さんに｢またイブラヒムくん？｣て言われるぐらいには、これも日常なのだ。お父さんには、モーニングコールを頼むのはどうかと思う、て言われるし、お姉ちゃんにはそーゆー関係？とか言われるけど、なんで皆して異性=特別な感情がある、て思うんだろう。私たちはそんな関係にはならないし、可能性もないって言うのに。全く、失礼だなぁて思っていた。時計を確認しつつ、コンビニの単語にいいな、て思って。8時、て言われたけど間に合うかなぁ、て思いつつ椅子に座り、電話を切ってから朝食を食べる。髪の毛とメイク、着替えとか考えつつも、味わいながら食べていた。言うて5駅なので、そこまで遠い訳では無い。
少し余裕あるな、て思いつつも、食べ終えては顔を洗い歯を磨いて、メイクして、髪の毛もやって。着替えたら家を出るギリギリになりながらも、走って駅へと向かう。少し待って！としても電車は待つことを知らないけど、優しいような車掌さんに涙を流すしかないのだ。乗り込んでから閉まる扉。変わらない、いつも通りの朝がやってきたのを感じているだけだった。
｢俺はその気あるって言ったら、お前はどうすんの。｣→←見慣れたような帰り道。
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作者名：ことり
| 作成日時：2024年2月8日 22時
