見慣れたような帰り道。 ページ4
.
「あ、これ。あたらしーってやつ、」
イブラヒム「そうなん?」
「めちゃくちゃ話題になってた。」
イブラヒム「味2個あんじゃん、どっち?」
「片方しか人気ないって思ってるのおもろいな。」
イブラヒム「違うって、そーゆーのじゃないって、まじ。」
「いぶこっち買ってよ、私こっち買う。」
イブラヒム「はいはい、」
部活も終わった帰り道、見慣れたような道を歩いていく。駅までなんだけどね。もう夜遅くはあるから、街灯がついていて、ビルとかの明かりさえも輝いていた。途中のコンビニに寄って、アイス食べよて誘って、最近話題のアイスを見かけたから、それを手に取る。2種類味があるからシェアしよ、て言えば、普通にはいはいてされながらも、手に取ったのを見つめた。イブは、なんだかんだ優しい。めんどそうな顔をすることの方が多いし、そーゆータイプだし。けど、文句言いながらもやってくれるような人。それに甘えてるとこはなんだかんだありつつ、お会計を済ませては、外に出る。包装から開けて、1口食べたのなら、美味しくて。ん、美味しい!てしながら、二口目を食べてから、イブに差し出した。
しゃく、て音を立てて食べたのを見た後に、ん、て差し出されるアイス。それに、んふふ、て笑いながらも、しゃくって音を立てて1口食べる。口の中にじんわりと広がる冷たさと甘さ。美味しくて、目をキラキラとさせたのなら、面白いと言いたげなイブ。馬鹿にしてる?てしつつも、そのまま食べていく。知覚過敏だからそんな勢いよく食べるとか出来ないんだけど。食べ終えた棒をゴミ箱に捨てては、お手ふきで手を拭いて、それも捨てて。そのまま、また駅までの道のりを歩いた。たまぁに部活に顔を出した時はこのぐらい。いつもなら、夕焼け空の下を歩いている。でも、こんな時もいいよね、て話をたまにして、けど空に輝く星は、都会の光で見えずにいた。
「明日なんだっけ、じゅぎょー。」
イブラヒム「日程みなよ。」
「イブがいるからいーかなって。」
イブラヒム「………どーすんの、」
「なにが。」
イブラヒム「俺がいなくなったら、」
「んぇ、」
イブラヒム「なんて、な。電車、もうすぐじゃん。俺まだ時間あるから、先乗りな。」
「え、ぁ、うん。また明日ね、イブ!」
イブラヒム「おー、また明日。」
滲んだように見えた感情色が何色かなんて、知らないふりを私はしておいた。だって、そんなの興味も無かったから。
733人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ことり | 作成日時:2024年2月8日 22時