軽音部にお邪魔します。 ページ3
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キーンコーンカーンコーン、て鳴り響いて、帰りのSHRも終わりを告げる。起立、礼のテンプレートをなぞった様な言葉の羅列も、いつも通りでしなかった。吐き出した息は透明なままで、きっと変わる事なんてないほどに。詰め込んだバッグを持ちながら、イブのとこに行って「今日軽音部ある?」て聞けば「ふつーにある、ひばがやりたいって言ってた曲の合わせするわ。」て返される。部活があるなら仕方ないかぁ、と思いつつも、暇だしなぁてぼんやりと考える。「行ってもいーい?」て聞くと「好きにしたらいーじゃん、」て言われるので、その言葉に甘えることにした。その前に購買に行こ、て思って、立ち寄って飲み物を買ってから音楽室へと行く。ガラガラ、て開けた先に広がる世界も、変わらないようにと。
「あれ、Aさん!」て嬉しそーな顔をする渡会くん。不破くんとローレンくんにも、おいーっすて挨拶した後に、袋に入った飲み物を差し出す。せめてもの差し入れ、ってことで。それに喜ぶ3人を見つめつつも「え、俺には?」てイブに言われて。ないが?と考えながらも、仕方ないなぁと言うように、ブレザーのポケットに入れていた新品の飲み物を出す。はい、てすれば「まじでくれんだ。」て言われちゃって。なんなんだよ、てしながら、ひとくち飲んだ後に、勝手に取られては飲まれる。それを見つめつつも、3人のとこに行ってはギターを取り出したのを見る。椅子を動かして、見えるとこに置いてはお菓子を取りだして、一つ摘んだ。
渡会「今日の観客は、Aさんだけっすね!」
イブラヒム「いつも居ないけどね。」
不破「まぁ、それはそう。」
ローレン「てか、今日は何用なん?」
「いや、気まぐれに、っすね。部活無かったらイブ誘ってスタバの新作飲みいってた。」
イブラヒム「え、まじ?言えよ。」
「さすがに部活には参加して欲しいよね、ふつーにだけど。」
イブラヒム「んじゃ明日行くか、明日。」
「やったー。」
まだ夕焼けにはならないような時間帯。ギターやベースを取り出して、マイクを片手に持つのを見つめていた。今日は私だけが観客のライブ、て感じ。いぇーい、て実のとこはあんまし曲とか分かってないとこあるけど、イブに勧められてたな、て思い出していた。だから、今度ちゃんと聞いてみようって思いながら、彼らの音に耳を傾ける。すごいなぁ、てぼんやりとしたような思考回路を滲ませる。
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作者名:ことり | 作成日時:2024年2月8日 22時