ごめんね、それでも好きだよ4 ー徒恋ー【五条悟】【夏油傑】 (ページ8)

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「ところで次何飲む？」
「ワインクーラー」
「……A」
「？」
「君こそ気を付けたほうがいいと思う」

五条はそう言いながら
バーテンダーに再び
ワインクーラーとシンデレラ
と頼んだ

「……五条さん」
「ん？」
「変わりましたね」

え？と五条の間抜けな顔が
こちらに向いた

「トゲトゲしてたのに
　何だか牙を抜かれてるみたい」
「そうだっけ？」
「……教員
　ちゃんとされてるんですね。
　壁を蹴ってた人なんて嘘みたい」
「僕はいつだってナイスガイだよ」

ノンアルでありながら
場に酔えるこの男は
＿＿いやこの男だからこそ
出来る技だろうか

「もしかして僕に惚れちゃった？」

ニコニコと笑いながら
“お目が高いねぇ”と
笑いかけてくる五条に
『前言撤回したい』
と思ったのは言うまでもない

「あはは。バカみたい」

思わず口を滑らせた暴言は
自分でも驚くほど
顔と声色が合っていなかった

「そんな笑顔で毒吐なよ」

負けじと五条も笑顔で返してくる

二人はそのまま
バチバチと火花を散らしながら
カクテルが届くまで笑顔を向けあっていた

＿＿＿＿＿＿

《カクテルの意味》

ギムレット………遠い人を思う•長いお別れ
サマー•デライト……夏の喜び
ワインクーラー……私を射止めて
シンデレラ………夢見る少女

＿＿