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Aが結界から外に出られたのは
それから三日が過ぎた頃だった
「ご迷惑をおかけ致しました」
「あぁうん。良いよ」
自宅に戻ってすぐ
Aはそう声をかける
「ところで僕に話すことない？」
「……え…？」
「聞き方変えてあげるとするなら」
五条はそういうと
蒼い瞳をこちらに向けた
「何故あの時僕を止めた？」
「……」
「A」
ため息混じりにAの名を呼ぶ
「…自分が何をしたかわかってる？」
「……だって＿＿」
そう言いかけたとき
ぐい、と五条が詰め寄り
直ぐ側の壁を力強く叩いた
「っ…」
大きな物音と共に
自分の倍はある身長の男と
壁とに挟まれて
息を飲んでいると
「お前マジで何してるかわかってんの？」
と冷やかな眼差しが向けられる
「傑だけ特別、じゃなかったんだろ？」
「……」
「なのにこれ？」
「っ……」
「沢山の人の命が奪われた以上、
それは取り返しがつかないんだろ？
＿＿これ以上
傑に手を汚してほしくないから
止めたいんだろ？
そう言ったの誰だった？」
ハッとしていると
五条は彼女の顎を掴んで持ち上げた
「……私…です」
「だよね？それがこれ？」
なぁA、
と冷たい声色で彼女の名を読んだ
「これがお前の言う最善の策だったって？」
「……」
「何の為に僕と結婚決めたの？
家柄が欲しかった？立場を危うんだ？」
五条の手の中でフルフルと
彼女の首が横に小さく振られる
「違うよね？
＿＿お義兄さんから聞いたよ。
本当は凄く嫌、死んでほしくない。
殺したくもないし生きててほしい。
そうは思っても、お前は傑を止める為に
自分の人生をかける事にしたんだろ？」
「……はい……」
「僕の事、
信用と信頼はあるって言ってたろ？」
＿＿＿＿
＿
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