ごめんね、それでも好きだよ4 ー徒恋ー【五条悟】【夏油傑】 (ページ29)

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・＿＿真那井家

「なるほど神具に」

事情を聞いたのは大翔である

「咄嗟とはいえ
　それで人を傷つけるのは危険だったな」

既に布団の上に寝かされているAは
眠っている状態だった

「これが呪力なら
　反転術式でどうとでもなったが
　＿＿なにぶん、神力だからね」

自分の妹ながら怖いもの知らずだな、
と大翔は溜息をつく

「まぁ問題はない。
　人を殺めていたら
　どうなってたか分からないが
　かすり傷程度の微量の血だったからね。
　この程度だよ」
「…そう……ですか」

＿＿かすり傷程度でこれか

特殊な結界が張り巡らされたその部屋で
静かに眠っているAを見ながら
五条はそう思っていた

「うん。
　神使も無事だった、何の害もない。
　単純に力が祟りで減ったから
　姿が消えたんだろうね。
　＿＿祈祷は済んだし
　あとはAが目を覚ますだけだ」

とはいえ、と苦笑いを浮かべる

「一週間は神使も出せないし
　その力も借りられないね」
「………」
「こういうのは反動がでかいんだよ。
　軽めとは言え祟りだし」

まぁ気にすることはないよ、
と大翔は笑った

「それより、相手が夏油傑だったって？」
「はい」
「あの男もちょこちょこと彷徨くな」
「目立ちたがりですから」

五条の言葉に大翔の顔は歪む

「しかも付き合ったことさえ後悔した？
　いつか〆るぞあいつ」
「お義兄さんが言うと冗談に聞こえませんね」

ケラケラと笑うが
大翔は難しい顔を浮かべていた

「………でも流石だよ」
「え？」

五条が聞き返すが
不意に話を逸らされる

「……五条君」
「なんですか？」
「…俺は君を誤解していたところがある」
「そうですか」

特に気に留めることもなく
五条はそう返した

「君はAに何か起きても
　別に急ぐことはないと思ってたよ」
「流石にそれはないですよ。
　僕の愛妻になる人ですから」
「……俺は本当の話をしってるよ」

え？と五条は目を見開かせる

「夏油君が離反した年に
　Aから前もって聞いてある。
　だから別に隠さなくていい」

言葉を詰まらせる五条に大翔は続けた

「……むしろすまないと思っている。
　Aのとんでもない発想に
　巻き込んで悪かった」

＿＿＿＿

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