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「A先輩……?」
後輩が首を傾げた時
ちょっといい?
とAは小声で耳打ちする
「これは大学から来た内容よね?」
「はい」
「…詳細は?」
「●●山で目視されたものだそうです」
「………そう」
Aは後輩から書類を受け取って
それを見始めた
何かありましたか?
と後輩から尋ねられAは口を開く
「私達が祓う場合はどんな時?」
「呪術師が
現場到着に間に合わない場合です」
「正解。ではこれが
“私達が目撃してしまった
あちらから報告なしの呪霊”
だった時は?」
「余裕があるなら指示を貰い、
ない場合は事後報告をします」
それはなぜ?
とAは問いかけた
「あくまでも私達は神社の人間であり
それに長けているわけではないから、
__ということと
呪霊は全てそちら側に
伝えなければならない為です」
「そうね。それともう一つ」
そういうと、静かに呟く
「呪霊ではなかった場合は?」
「……こちらではどうにもならないので
“緊急事態”として
直ぐにあちらと連絡を取ります」
「おっけい。大丈夫ね」
そこでAは
懐から自身のケータイを取り出し
後輩に持たせた
「えっ…?」
「……今日はどこに連絡を入れる?」
「教授に」
「そうよ。
ではでももしこれが本番になったら?」
その言葉に
ハッとした顔を後輩は浮かべる
「大丈夫。これは実習の段階。
でも予期せぬ事態になる事もあるから」
「先輩あの…」
「短縮ダイヤル、
“01”で五条さんに繋がるから」
Aがそう話すと
後輩は顔を強張らせていた
「無言で大丈夫よ。
私からあの人に電話をかける事なんて
“余程の時”くらいだから」
「先輩…」
動揺している後輩に
Aは耳打ちする
「あくまでも実習だから
そんなに怖がらないで」
そう言うと彼女は
何事もなかったかのように
他愛もない会話の中に戻っていった
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