ごめんね、それでも好きだよ4 ー徒恋ー【五条悟】【夏油傑】 (ページ16)

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「五条悟の花嫁……？」

耳に飛び込んできた言葉に
語尾が上がる

「真那井神社の娘の……？」
「はい。
　どうやら噂があるそうですよ。
　＿＿実は仲が悪いのではないか、と」
「……へぇ……」

少しの沈黙の後
私は、と言葉が出た

「かなり仲が良いと聞いたけれど
　＿＿それは違うのかい？」
「五条悟が見初めたとは聞きますが
　その割には中々娶らないから、と」

その言葉に
そうか、と返す

「“五条悟を潰すには
　まず真那井Aから潰すべき”
　＿＿とまで言われてますのにね」
「……そんな噂もあったね」

でも、と続けた

「それはどうかな」
「＿＿と、言いますと？」
「神使を使う存在は
　底知れない力がある。
　＿＿これだけ開示されていても
　こちらはその力を何も読めない。
　下手に手を出せば返り討ちにあうよ」
「……」

そこでフフ、と笑いながら
視線を向ける

「道成寺縁起を知ってるかい？」
「……安珍清姫伝説の事ですか？」
「そう。
　それがふと過ることがあるんだよ」

その発言に「あの、」と声をかけた

「やはりあの噂は本当なんですか？」
「……噂？」
「夏油様と真那井Aの関係です」
「あぁそれね」

夏油はクスクスと笑う

「どうだったかな」

＿＿＿
＿

＿＿都内某所に存在する宗教系の大学
そこにAは通っていた

その学科は御三家に通じた家と
普通科で教室が分かれている

Aは勿論
御三家に属している教室の方だ
そこでもやはり“実習”があった

「A、今日実習だっけ？」
「はい」
「頑張ってね〜」

飄々とした口調で五条は応援した

婚約者である
ということが学内で知られてからは
堂々と門前まで送ってくるようになっている

「五条さん今日はお休みですよね」
「そうだよ〜」
「ごゆっくり」

いってらっしゃ～いと
手をヒラヒラとさせる五条を背後に
Aはそう声をかけ
大学に入っていった

＿＿＿＿
＿

この実習は高校の時と違い
高専の補助はない

つまり

御三家と通じる社家ならば
本格的に呪術師の代わりに
呪霊を抑えろ

という実習だ

とはいえ、
あくまでも“神社の人間”なので
決して重たい任務は存在しない

二級呪霊を祓えるなら御の字と
そう言われる程度の内容だ

五条と共に歩いているAにとっては
気楽な実習だった

＿＿＿＿

※申し訳ありません
私のミスで物語が一部抜け落ちておりました
＿