続き2 ページ10
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流石に、私の肩に手を回していた人も、周りにいた仲間の人も、私もびっくりして派手にズッコケてぷるぷると震えているその男の人を見ていると。
「ねぇ、僕の彼女になにしてくれてんの?」
「あだだだっ!!!」
私の肩に手を回していたリーダー的な男の人の腕が誰かに掴まれて捻りあげられ、悲鳴をあげる。
「だ、誰だよっ!」
「だから、言ったじゃん、この子の彼氏、分かる?」
パッと手を離しては、私の事を力強く抱きしめたのは、助けを求めた、大好きな人。
「はぁ!?!?いや、その子、彼氏がいるとかなんとかなんも言ってねぇよ!?どうせフリだろ!」
「はぁ……まず、こんな可愛い子に彼氏がいないとか思う方がアホでしょ??あ、アホかぁ」
「て、め…!」
相手を煽っているのだろうけど、聞いている私が恥ずかしくなってしまう。
「くっそ…ボロくそ言いやがって……っち!おい、行くぞ!!」
「帰った帰った〜」
特にそれ以上突っかかってくることも無く退散した男の人たちを見送ったと思えば、いきなり両頬を掴んで唇に噛み付いてくる。
「んんっ…!?」
「っ、は…なにはぐれてんの?」
怒りの色を滲ませた瞳に体が強ばる。
「げ、下駄が脱げちゃって…」
「はぁ?そんなの拾いに戻らないですぐ言ってよ」
「で、でも…あの…ぅんんっ…」
理不尽な言葉に言い返そうと口を開けば、再び噛み付かれたかと思えば舌が入ってくる。
荒々しく口内を掻き回したあと、リップ音を立てて離れた先輩の唇。
「せ、せんぱ……」
「僕がお姫様だっことかおぶれば、もうはぐれることも無くなるじゃん…」
「ひゃぁ………」
真顔で物凄いことを真面目にいう人だなぁ…。
妙な関心をすれば、顔に出ていたのか、聞いてんの?なんて少し拗ねたようにデコピンを食らわせてくる。
「はい…いえ、あの……先輩、可愛いなぁって…」
「…は?」
思わず口を滑らせれば、眉を顰めて低く声を出す先輩。
しまった、と思っても遅く。
「これでも可愛いって言えんの?」
「ぅあ…っ、せ、んぱ…いっ」
つつッ..、と背中を指でやらしくなぞる。
肩を揺らせば耳元で、可愛い…なんて囁くものだからたまったものじゃない。
幸いなことかどうかは置いておいて、人気のないこの場所じゃ、人目につかない。
「可愛いのは、Aでしょ」
遠く聞こえた花火の音と共に、そう呟いた先輩の唇が、優しく 触れた。
………
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ささまめ。(プロフ) - 華さん» ありがとうございます、! (2020年1月26日 16時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 更新頑張ってください! (2020年1月25日 15時) (レス) id: 8325108de9 (このIDを非表示/違反報告)
ささまめ。(プロフ) - 咲さん» わー!嬉しいお言葉ありがとうございます!!そのお言葉を糧に頑張って更新していきますねー!! (2020年1月7日 11時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく面白いです!これからもがんばってください (2020年1月6日 22時) (レス) id: a96e485a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2019年8月29日 21時