25.お泊まりと言ったら、恋バナ…? ページ29
.
結局、バスを降りたあと恵と虎杖くんと、合流する暇もなく、クラスごとのオリエンテーションに入ってしまって、今はお風呂やら寝支度やらの自由時間。
出席番号が前後な野薔薇ちゃんが運良く同じ班で、少しだけ安心する。
「野薔薇ちゃんが同じ部屋でよかった」
「そう?嬉しいこと言ってくれるじゃん。まあ、A人見知りっぽいし」
「あはは…」
クラスメイトなんかに、人見知りをするななんて話なんだけれど。
部活のことも相まって、野薔薇ちゃんと一緒に過ごすことが多かったので、あまりクラス子と話す機会がなかったので、ほぼ交流がない。
野薔薇ちゃんが休みの時に一人ぼっちになるのは、酷いストレスだ。
これはいけない。1人でも仲のいい子を作れればいいと思ってはいるのだけど…。
一緒にいるのはいかにも女子です!!!って感じの女の子3人と、清楚なお姉さん系の女の子。
私含めて6人部屋の中に、所謂陽キャが空間の二分の一を占めているというこの状況に、私は我慢の限界に近づいていた。
そんな中、ふと時計を見た清楚系女子の、八雲さん(名前からしてそうだよね)が「そろそろ消灯時間だね」と3人に声をかけると、ピタリと会話を止めて、ものすごく可愛らしい笑顔で、「ありがとう!班長!」って。
初めは、え?嫌味??なんて思っていた私だったけれど、何だかんだ班長である八雲さんとじゃれ合う(??)3人に、ただただホッコリしてしまって、いつの間にか緊張も解れていた。
… … …
先生の消灯確認が終わって静まり返った部屋。
端っこにいる私は野薔薇ちゃんの方に体を向け、その空気の中に溶け込むようにじっとしていると、誰かがモゾモゾと動き出す音が聞こえて、一瞬だけビクリと肩が跳ねる。
「ねぇ、みんな起きてる…?」
そう小さく声を出したのは、あの陽キャ組3人の中のリーダー的立ち位置にいる、飯妻さんだった。
「勿論、起きてるよ〜」
「当たり前でしょ」
飯妻さんの言葉に呼応して声を出したのは、後藤さんと小鳥遊さんで。
「…どうしたの?」
トーンがいつもより落ち着いた声を出す八雲さんに、
「これは…まさか定番の?」
と布団から顔を出す野薔薇ちゃん。
一体何が始まるのかと、私は黙ったまま5人の様子を伺っていれば、頭の上と隣から、布団をちょんちょん、とつつかれる感覚。
その正体が小鳥遊さんと野薔薇ちゃんだと言うのに気づくのはそう時間はいらなかった。
………
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささまめ。(プロフ) - 華さん» ありがとうございます、! (2020年1月26日 16時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 更新頑張ってください! (2020年1月25日 15時) (レス) id: 8325108de9 (このIDを非表示/違反報告)
ささまめ。(プロフ) - 咲さん» わー!嬉しいお言葉ありがとうございます!!そのお言葉を糧に頑張って更新していきますねー!! (2020年1月7日 11時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - すごく面白いです!これからもがんばってください (2020年1月6日 22時) (レス) id: a96e485a5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2019年8月29日 21時