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19.それぞれの家系事情 ページ23

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声をかけるも、しばらく返事がないので、もう一度声をかけようか迷った時。

「なんだ、こんな時間に…」

スゥッと開いた障子の向こうから出てきたのは、白銀の髪を持った、美しい少年だった。

違和感があるとするのならば、赤い狐の面を被っていることと頭に生えた髪色と同じ色の狐の耳と、背中越しに見えるふわふわとした尻尾。

「あ、あの、お話を伺いたくてここまで来たのですが…」

恐る恐るその少年に声をかけると、スっとこちらを向いた狐の面。

「ん〜〜〜〜〜??」

かと思うと、狐の鼻が自分の鼻に触れてしまうかと思うほど近づく顔。

「え、えと」

「なるほど………お前、神無月の子だな?よし、」

何かを納得した少年は、出てきた障子の中にまた入って行ってしまう。

「え、あの、!」

「うん?…あぁ、連れと一緒に入って来い」

「!!!」

ちらりとこちらを一瞥した少年は出てきた時とは違う柔らかい声でそう言った少年に、私を含めた他のみんなも息を飲む。

「………行くか」

真希先輩の言葉に頷き、少年の後に続いて御堂の中に入る。

「失礼…します、」

そう小声で言って、中に入れば、6畳ほどのスペースの奥に胡座をかいて座る少年。

「ああ、適当に座ってくれ。茶は出せないがな」

ケラケラと笑いながらそう言って、全員が座った頃、「さて、」と話を切り出す。

「何故、主らはここまで来たんだ?神無月の者が居たとしても、余程のことでは無い限りこの神域に辿り着けるはずがない」

そう言って、お面の奥で瞳を鋭くさせたのが分かるほど、強い視線を感じさせる少年に、パンダ先輩が口を開く。

「俺はそういうの関係ないからな。人間じゃねぇし」

その言葉に反応した少年はパンダ先輩をちらりと見ては、「くくっ、」と小さく笑う。

「なるほどなるほど、お主、確かに人間ではないわな。人間でもなければ妖でもあるまい。所謂、そうさな……呪骸と言うやつであろう」

「ああ、よく分かったな。ご名答だ」

少年と普通に会話するパンダ先輩の新事実(…いや、そんな気はしていたけれど)に驚かされながら2人のやり取りを見つめていると、「それで?主らは何故なのだ?」と此方に話を振ってくる。

「…俺は…いや、Aもだが、家系的にこういう(・・・・)現象に耐性があるから…」

「あぁ、主、禅院家と同じ血の匂いがするな、なるほど、ということは、、?」

少年は恵の言葉に納得した後、真希先輩の方に視線をおもむろに移しながらそう言った。


………

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ささまめ。(プロフ) - 華さん» ありがとうございます、! (2020年1月26日 16時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新頑張ってください! (2020年1月25日 15時) (レス) id: 8325108de9 (このIDを非表示/違反報告)
ささまめ。(プロフ) - 咲さん» わー!嬉しいお言葉ありがとうございます!!そのお言葉を糧に頑張って更新していきますねー!! (2020年1月7日 11時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく面白いです!これからもがんばってください (2020年1月6日 22時) (レス) id: a96e485a5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/  
作成日時:2019年8月29日 21時

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