7:魔道具 ページ7
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商店街の途中で見つけた精肉店で、ハムカツを買って食べながら商店街を抜ける。
「あれ、ところでなんで私たちってここにいるんですか?」
最後の一口を頬張りながら五条先生を見上げてそう言えば、五条先生も最後の一口を食べていたようで、飲み込んでから私に顔を向けて話し出す。
「んっとね、この近くの高校に通ってる男の子を迎えに行くんだよ」
「それまたどうして?普通の高校生ですよね…元の私と同じように」
首を傾げながら眉をひそめれば、よくぞ聞いてくれたとばかりに笑みを浮かべる。
「Aは、特級魔獣の両面宿儺って知ってる?」
「え?両面少ない?」
「両面宿儺、両面宿儺は顔が2つ、腕が二本ある仮想の魔獣…と言われているが実際は、1000年ほど前に実在した魔法使いだ」
伏黒くんが言い間違いを正しながら両面宿儺について口を開く。
その時代の魔法使いが総力を上げて、消滅を試みたものの敗れた。死蝋の指を特級魔道具として20に分割、封印することによってその力を抑えてきた、正しく魔術の王。
「そんなのがなんで…話に?」
「それがさぁ、君を連れてくるほんの少し前の話なんだけど…恵にとある高校の百葉箱に宿儺の指があるから取って来いって言ったら、案の定魔物に襲われてね」
「魔物!?」
魔物なんておとぎ話とかでしか聞いたことないぞ…。
「あぁ、宿儺の指は封印が解けかけた今でこそ、強力な魔物ホイホイになってるけど、アレ、あるだけで魔物がその強い魔術を得ようと喉から手が出るほど欲しい物だからね」
「なるほど…」
「で、その高校の人が宿儺の指にかかってた封印を解いちゃって、魔物が湧き出した。伏黒はその生徒を助けるために戦ったんだけど相手も強くてね〜、襲われた生徒の関係者である男の子が魔物と戦うためにその指を食べちゃったんだよ」
「へぇ………」
食べちゃったのか。
ん?
「食べちゃった!?!?」
「…うるさい」
「ご、ごめん!」
迷惑そうに眉を下げた伏黒君に謝りながら五条先生に話の先を促す。
「で、今回迎えに行くのがその指を食べちゃった男の子だよ〜」
「えぇ……っちょっと待って、魔道具って毒なんじゃないんですか?」
「お、いいところに気づくね!そう、魔道具は基本的に非魔術師が触ったり体に取り入れると死.んじゃう毒物」
ピンポーンなんて言いながら五条先生は指を立てて嬉しそうに微笑んだ。
………
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作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2019年8月24日 14時