41. Myside ページ41
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どのくらいそうしていたかわからない。
用意していた夕食はすっかり冷めているだろう。
—— そもそも、食事が待ち侘びていた主人はもうこの世にはいないのだ。
今日はクリスマスイブで、いつもより少し豪華な食事を用意していて、
それなのに、どうして
『…なんで、なんでころしたの』
そんな酷な質問するつもりじゃなかった。
それでも、口が勝手に動いていた。
「…ごめん」
『なんで…』
そんなことを聞いたら、悟が困ることなんて分かっていた。
傑を殺さなくても良い理由があるのなら、悟が一番それを知りたいはずだということも。
「終わらせるなら、俺の手で終わらせないとって…そう思った」
傑、もう助からなかったんだ。憂太と里香と戦って
そうポツポツと話す悟の顔は見えない。
「お前から2度も傑を奪って
…ごめんな」
もう感情がぐちゃぐちゃだった。
謝る悟に、何と声をかけていいかわからない。
『ひと、ごろし』
思ってもない言葉が口から滑り落ちる。
……いや、もしかしたら本音なのかもしれなかった。
「ッ……ごめん」
私を抱きしめる悟の腕にぐっと力が入る。
ちがう
ちがうの
ごめんなさい
一番辛いのは、あなたなはずなのに
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せつな - chiroru...さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。他作に比べ勢いで書いてしまっている節があり、読みづらいところがあるかもしれませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです! (10月2日 1時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
chiroru...(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!切ない系なのがまた良いです!更新頑張って下さい、応援してます! (9月29日 17時) (レス) @page22 id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
せつな - 掛け持ち失礼します…!どちらも頑張って更新しますのでよろしくお願いします。 (9月28日 22時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せつな | 作成日時:2023年9月28日 21時