24. 五条side ページ24
五条side
「これはあくまで、俺がAのことを知らない人間と仮定して、客観的に考えた結果だ。怒るなよ、悟」
学長が間を置いて、次の言葉を紡いだ。
「—— 自分の残穢なら、アイツなら完璧に消せる」
待ってよ。
「一体何のために？
仮にそうだとして、脅されてたのかもしれない、そうでしょ？消さないと命が危なかったとか」
「Aだぞ」
「っ…」
返す言葉がなかった。
Aは高専時代に一級に昇格するだけの実力を持つ術師だ。
「お前が一番わかってるはずだ。
あいつがそんな危機に陥って、何も手掛かりを残さないことがあるか？あの抜け目のない奴が、丁寧に全ての残穢を消していく時間はあったのに、対策を思いつかないのか」
それでも、その可能性だけは認めたくなかった。
「それは敵が上手だったから、」
「
ただ、客観的に見て、一番可能性の高い仮説だ。
信じなくて良い、仮にそう考えてみてくれ。何か変わったことはなかったか」
ぐわんぐわんと頭の中で学長の声が響く。
何か変わったこと、あった？
また、僕は何も気づいてやれなかったのか？
何の相談もせずにAが僕の元を離れたなんて、信じたくない
その兆候に気づいてなかったことも、認めたくない
「…わかんないよ」
それでも、あれだけ探したんだ
Aが
ただその現実を突きつけられるまで認めたくなかった、それだけのこと。
「……気持ちは分かる。
俺も、何が何だかわからんのだ」
—— ああ、この言葉、いつかどこかで。
そうだ、10年前のあの日、
俺たちの歯車が狂い始めた時に、聞いた言葉だ。
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せつな - chiroru...さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。他作に比べ勢いで書いてしまっている節があり、読みづらいところがあるかもしれませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです！ (10月2日 1時) (
レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
chiroru...(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！切ない系なのがまた良いです！更新頑張って下さい、応援してます！ (9月29日 17時) (レス) @page22 id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
せつな - 掛け持ち失礼します…！どちらも頑張って更新しますのでよろしくお願いします。 (9月28日 22時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せつな | 作成日時：2023年9月28日 21時
