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18. 五条side ページ18

五条side


「で、お前とAはいつになったら結婚するんだ?もう長いんだろ」

「えっ?」


唐突にそう問われて、思わず素の声が出てしまった。

目の前には不服そうに仁王立ちする真希がいる。


「ええと…というと、何かな?」

「は?何きょどってんだよ、気色悪いな」


真希が本当に嫌そうに顔を顰める。

その後ろからパンダがクネクネとやってきた。


「時々Aから悟の匂いがするから、薄々勘づいてはいたけどな。
 この間、見ちゃったんだよな、オ・レ」


何かやっただろうか。

…そもそも、Aは生徒の前で僕との関係を見せたがらない。

生徒の前では滅多に話しかけてこないし、用事があっても“ 五条先生 ”なんて、他人行儀な呼びかけ方をするのだ。


「えっ、えっ、なになに?!」


騒ぎを聞きつけて、憂太までこちらにやってきた。


「悟とAがいつ結婚するかっつー話だよ」

「この間職員室で悟にベタベタに甘えられて迷惑そうなA、俺見ちゃったし」

「えっ?!2人ってそうだったの?!」

「いくら」

 
 
「い、いやいやいや!違うんだって、そういうこというとホラ、Aにも迷惑かけちゃうし」

 
 
 
ほほぉ〜?と皆に詰め寄られる。

あまりにも否定するものだから、とうとう信じてもらえたのか、なんだ、つまんね、と真希が引き下がった。


「お前のことだ、事実だったらすぐ調子に乗ってペラペラ喋るだろうしな。なんだ、期待して損した」

「僕のことなんだと思ってるのさ」

「確かになぁ。でもお似合いだぜ?特級と一級」

「先生はどう思ってるの?Aさんのこと!」

「どう…って…」


結婚?できるならしたいさ

付き合える?なら付き合いたいよ

アイツじゃなくて、僕のことを見てほしい


…でも、10年間この顔に張り付けてきた薄ら笑いは生徒たちを騙すには充分だった。


「…ただの同僚だよ。ほら行った行った!」


はぁい、と間の伸びた返事で4人がグラウンドに駆けて行く。

好きだなんて言ってしまったら、始まりもしていない僕たちの関係が何もかも終わっちゃうんじゃないかって

そう思って、10年間僕は止まったまま


分かっている、Aは僕のことを見ていない。

傑を忘れるために僕を使っている。

でも、そうでもしないと僕のところに引き留めて置けないから

どんな理由であれあの子に触れておく理由が欲しくて、

Aの心の傷を利用して

僕はこんなずるい関係に甘んじている

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:アニメ
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せつな - chiroru...さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。他作に比べ勢いで書いてしまっている節があり、読みづらいところがあるかもしれませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです! (10月2日 1時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)
chiroru...(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!切ない系なのがまた良いです!更新頑張って下さい、応援してます! (9月29日 17時) (レス) @page22 id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
せつな - 掛け持ち失礼します…!どちらも頑張って更新しますのでよろしくお願いします。 (9月28日 22時) (レス) id: 617609c1ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せつな | 作成日時:2023年9月28日 21時

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