完璧女子と小悪魔男子 (ページ11)

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11話ページ11

「雨宮社長と知り合いだったとはね。びっくりした。」

『フランスにいた時にちょっとね。』

あ、あれって。

『俳優の東田隼人さんいる。』

「あー。あの人ね。うちの雑誌には出てくれないんだよな。」

え？

『なんで？』

「前の撮影で何か失礼があったみたいでさ。俺が入る前だからわからないや。」

そうだったのか。どうしようかな。

話しかけてみたいな。

「Aさん。お久しぶりです。」

あ。

『香蓮ちゃん、久しぶり。』

「あ、もしかして彼氏さんですか？初めまして。AさんにはELLEの時からお世話になっていて。」

『香蓮ちゃん、彼氏じゃなくてrunwayの副編集長。』

「初めまして。二宮です。」

「あ、そっか。今runwayにいるんですよね。みんなびっくりしてますよ。独立して新しいファッション誌作るんじゃないかとも噂されてたのに急に日本に帰っちゃって。」

そんな買いかぶりすぎじゃないかな。

あ、そうだ。

『香蓮ちゃんさ、ELLEの時東田隼人さんの取材記事書いてたよね？紹介してくれない？』

「いいですよ。仲良しなんで。あ、その代わり今度おごってくださいね。」

『うん。わかったわかった。』

よし。

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「隼人さん、お久しぶりです。」

「あ、香蓮さん。来てたんですね。そちらの方は？」

「元ELLE編集長の櫻井Aさんです。今は、runwayで編集長を。」

『初めまして。櫻井Aと申します。ELLEの時は独占インタビューをお引き受けいただきありがとうございました。』

「いえ。こちらとしても世界に存在を届けてくれてありがたかったです。」

そっか。ELLEで人気に火が付いたんだっけ。

「runwayか。俺、runwayさんとは仕事をする気がないんです。昔、掲載された時に名前を間違えられたことがあって。」

『そんなご無礼を。大変失礼いたしました。担当スタッフに代わって謝罪させていただきます。』

「はい。これでもう許します。」

え？
こんなあっさり？

「あの時、担当スタッフさんは誰も気が付かなかったんです。もちろん謝罪もありませんでした。もう満足です。」

『もう一度runwayにチャンスをいただけませんか？いい記事にするとお約束します。』

「いいですよ。あなたが関わっている雑誌なら信用できますから。」

『ありがとうございます。では、後日連絡させていただきます。』