太宰さん怖いです。【短編集】

太宰さん誕生日記念『甘いケェキを』 ページ36

今日は太宰幹部の誕生日だ。


私も誕生日の贈呈品(プレゼント)を貰ったし、何を送ろうか...


「ケェキ....くらいだったら作れるかな....」

太宰さんは甘い物を好まない。だからチョコレェトケェキを作ることに決めた。


太宰さんとの待ち合わせまであと１２時間....




「よっし....できた。｣


作り終わるまで約三時間を経て、やっと作り終えたケェキを冷蔵庫に仕舞い、あとは贈呈品。


なにか...思い出に残る物がいいなと考えたのが、太宰さんに似合いそうな首飾りだった。

私とお揃いを少し意識して購ったとは云えない...




そして太宰さんと待ち合わせすることになった夜。


『嗚呼。やっと来た。』


「遅れてすみませんっ！」


『大丈夫だよ。久しぶりの逢引だからね。君の家に招待してもらえるのだろう？』


「はい！」



私の家はヨコハマの高級マンションの最上階。


太宰さんは昇降機に乗りながら夜景を眺めるように呟いた。


『幹部補佐がこんな贅沢して＿＿ずるいね。』

「すっ...すみませんっ」


なんていいながら太宰さんは愉しそうに嗤って私の家の扉を開ける。


『此処に座っても善いかい？』

「どうぞ。」


太宰さんが座ったと同時に、隠していた贈呈品を取りだす。



＿＿＿あれ？


ない。


『これは私の為のモノかい？』


彼はそう云って色気の含んだ声を漂わせ、私の購ってきた贈呈品の箱を掲げた。

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