【地縛少年花子くん】準備室で待ってるよ (ページ3)

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昼休みも終わり、生徒は皆午後の授業に勤しんでいる時間。

例の噂の怪異は、廊下に佇んでいた。

人気のない、旧校舎の準備室だった。

突如として黒い影が周りを囲み込む。

そして黒い人魂と…人影。

彼こそ昨今怪異の噂を乱している者達の主犯格と言っていいほどの怪異である。

顔立ちは七番とうり二つ。それ以外は全く正反対と言っていいほどだった。

「上手くやってる？A」

「つ、つかさくん…？」

「ふふ、会いに来た！だって、放送室で遊んでたらサクラたちに追い出されちゃったんだもん」

「また変なことしたんじゃないの？…もしかして、私と一緒に行って許してもらおうって魂胆なの？それだったら行かないわよ」

そうAが言った瞬間に、彼はAの首元に飛びついた。

「やーめーて。降りてったら」

「アハ、A怒っちゃった〜」

「…もー…で、何したの？放送室で」

「何もしてないよ？ただいつも通り、グシャーってしただけ」

「何を？」

「そこら辺のちっちゃい怪異だよ！なんか虫みたいに動いてたから面白くって。中身見てみたいなって思ったんだ！見る？」

そう言うと彼は書生服のポケットをゴソゴソし始めた。

「いいや、別に良いわ。はぁ…仕方ないな。今日だけよ、一緒に行くのは」

「やったぁ、Aってヤサシーね！」

ヨシヨシ、と彼はAの頭を撫でる。

「誰のせいだと思ってるのよ」と呟きながら、Aたちは放送室へと向かったのだった。