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あの出来事の翌日、やはり学校では例の噂が流れていた。
「ねぇねぇ、聞いた？」
「聞いた聞いた。バレーボール部の子が…」
そんな中、この物語のヒロインである八尋寧々は教室でスマホを眺めていた。
そこへ彼女の友達である赤根葵がやってきた。
「寧々ちゃん、戸田ちゃんの話聞いた？」
戸田、とは昨日の被害にあった生徒の名前であった。
「うん。めちゃくちゃ痛そうだよね…高等部の一年でレギュラー入りしたのに可愛そう…」
何も知らぬ顔をしている彼女を見て、葵は彼女に耳打ちする。
「その怪我の内容がね…怪異による仕業だったって言うのよ…」
「へ、へぇ…」
大声に出して言えることではないが、ともかくいろいろ事情を抱えている彼女にとって今はありがたくない話だった。
「こんな噂知ってる？準備室の六条さん。学園内の色々な準備室に潜んでる女子生徒の幽霊で、オウマガドキに準備室に入った生徒の足を取ろうとしてくるんだって。対処法はただ一つ。オウマガドキに準備室に入らないようにするだけなんだってさ」
「そ、そうなんだ〜あはは…」
「どうしたの？寧々ちゃん体調悪い？」
心配そうに首を傾げる葵に、彼女は慌てて返す言葉を探す。
「う。ううん？えーっと…昨日のドラマに出てた俳優さんの演技思い出して上の空だった！」
「も〜、寧々ちゃんったら乙女なんだから〜！」
「あはは…」
苦し紛れの嘘も信じてもらえるのが嬉しいのか虚しいのか、今の彼女にはよく分からなかった。
「にしてもオウマガドキって無理あるよね…部活の片付けもあるんだからさ〜…あ、HR始まる！また後でね！」
そう言って葵は席に戻っていった。
「一応、花子くんには話してみよう」と休み時間に女子トイレに向かう。
旧校舎の女子トイレではもっけと七不思議七番トイレの花子さんこと花子くんが花札をしていた。
「連続けが人続出事件？」
怪訝そうな顔をして彼が聞き返す。
「そうなの〜！うちのクラスでも怪我人が続出してて…」
「施設の老朽化とかじゃない？」
とぼける彼をものともせず、寧々は言い返す。
「絶対不自然じゃん！けが人が増えるとか！」
「とりあえず俺は今花札で忙しいから後はあとは放課後。その方が少年もいるし、ね？」
「もう、知らない！花子くんったらいっつもこうなんだから！」
「ん〜…分かったよ。聞くだけだからね？」
そう彼から言われると寧々は今日伝えてもらった覚えている限りのことを伝えたのであった。
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