第九十九話 ページ8
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「人間は、ひとり一人が選択肢の書かれたサイコロを持っているようなものだ。」
もう二度と満月に戻る事の無い月が、地上を照らしていた。
太陽が完全に沈んだ、旧校舎付近の木の枝に幼さが残る少年がしゃがみ込んでいる。
「私達が何かを決断するときや、たった一つの答えを選ぶときそのサイコロを振る。
言うならば、今この瞬間のサイコロの出た目の行動が後の未来に繋がるんだ。」
その木の下に、全身を白装束で包んだ人間がいた。
口元は布で覆われているが、そこから声が聞こえる。
「ねぇ、イトナ知ってるかい。この学校には、そのサイコロさえ与えて貰えなかった
『失敗作』がいるんだよ。」
イトナ。
その単語に、木の上でしゃがみ込んでいた少年は白装束の方を向く。
「失敗作・・・？」
焦点が合っていないような、世界から感覚がずれたようなどこか
おぼろげな目でイトナと呼ばれた少年は口の中で呟いた。
「そう。無意識で無価値な呪いを持つ少女。生きている意味も存在理由も
見出せない『失敗作』。だったら、彼女はなんでこんな世界に生きてるん――」
「それ以上言うな。」
白装束の言葉は最後まで続かなかった。
何故なら、突然現れた第三者によって遮られたから。
イトナがしゃがんでいる木のすぐ隣の木の上。
そこに、一人の男が腰掛けていた。
深く被った帽子の所為で、顔全体は見えないが風貌から男だと推測される。
「ほう。これまた、珍しい人がいるもんだね。紅白サクマ。」
「テェメがオレの名前を呼ぶな。吐き気がする。」
普段の紅白サクマを知っている人間からは想像し難い姿に、白装束は
ノドをならして笑った。
「随分嫌われたもんだね私も。しかし、君が『失敗作』をかばう理由が私には
分からないんだよ、『試作品』。」
紅白サクマは、その問いに答えず帽子を片手で抑えて木から飛び降りた。
「お前等国が、そんな化物(イトナ)使った所であの生き物は殺せねーよ。
そして、覚えておけ
真城A『失敗作』を次侮辱したら、オレはオレの持っている呪いを
使い古してでもお前等を殺す。」
そして、紅白は音もなくその場を去る。
紅白サクマ。
彼の詳細を知るものは、未だに居ない。
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ねるね(プロフ) - きっとホコさん、もう占ツク離れしちゃってるだろうし、私の、もと乃愛のこと忘れちゃってるだろうけど、なんだか久しぶりに来てしまったよ。全然ちょくちょく顔出せてなかった私が悔しい。占ツクで初めてどハマりした作品。ホコさん今でも大好きだよ。 (2018年4月3日 0時) (
レス) id: 13459ee81f (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 妹ちゃんいったい何者なんやぁぁぁぁぁぁっ← いつも楽しませてもらってます！これからも応援してるので頑張ってください！！(・∀・) (2016年11月19日 13時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - うーたん。さん» 続編出来ました！見てくださると嬉しいです！！ありがとうございます！ (2015年5月5日 18時) (レス) id: a001dadb5e (このIDを非表示/違反報告)
うーたん。 - 続編！？とても楽しみにしていますね♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2015年4月27日 0時) (レス) id: 11f7b338a9 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - マムさん» ありがとうございます。カッコいいだなんて！私の書く業君は変態になりがちなので、そう言って貰えてうれしいです。恋愛パート頑張りますね(笑) (2015年4月25日 22時) (レス) id: 28a3503210 (このIDを非表示/違反報告)
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