第百二十八話 ページ40
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みじめな私を笑ってくれますか
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赤羽君の表情は、泣きそうだった。
いつも飄々としいてつかみどころの無い彼には、すごく似合わないや。
私は空を見上げる。もうすっかり、辺りは暗い。
夜空には、月がぼんやりと浮かんで見える。が、急にその月がぐにゃぐにゃと、アメーバのように、形を変えた。まるで、月を水の中から見ているみたいだ。そして、頬に冷たい何かが、ぽたりと落ちたのを感じて、ああ私は泣いているんだと他人事のように考えた。
「Aちゃん・・・・・・？」
「わ、私の言葉が誰かに伝わった事なんて、ない。何時だって、私の気持ちは空気と同化して見えなくなって、相手に届いた事なんてない」
自分が何に悲しんで涙を流しているか分からない。
「私の言葉は、重みが想いがないんだよ。赤羽君」
赤羽君は、だまって私の話を聞いていた。
そして、私が一通りしゃっくりを上げながら話し終えると、今度は彼が口を開く。
「人間は、空気中の酸素を摂取して呼吸している。もし、Aちゃんの言葉が空気と同化してしまったのなら、俺は嬉しいよ。だってさ、それってAちゃんの気持を俺の中に、入ってくる・・・・・・俺に伝わるって事でしょ？」
その時。
そう言い終わった時、赤羽業は屈託の無い笑顔を浮かべていた。
なんだか、その笑顔に私はむかついて
「・・・・・・ばか、じゃないの」
なんて、小さく呟いてしまったのだが、どうやら彼にはしっかりと聞こえていたらしい。
「まぁ、数学のテストで十八点取る誰かさんよりは馬鹿じゃないかな」
「な、ななななんで私の点数知ってんですかあんた！！」
「机の中に、放置したまま持って帰らないAちゃんが悪い」
「うわあああ、だからって他人の机の中勝手にあさる！？」
「え？漁らないの？」
「あさるか、阿呆！」
まったく。何やってんだ！
・・・・・・これからは、ちゃんと持って帰ろう。
ふと、さっきまで出ていた涙が止まってることに気付いた。
隣を見ると、赤羽君はいつも通りの底知れない笑みを浮かべていた。
それを見て、なんだか私は不覚にも胸が高鳴ってしまったのだ。
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あとがき
もう本当にすみません。遅くなりましたごめんなさい。
何時の間にかお気に入りの数にびっくりしてます。
沢山の方々に読んで頂いており、本当に嬉しいです。評価、コメも本当にありがとうございます！
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ねるね(プロフ) - きっとホコさん、もう占ツク離れしちゃってるだろうし、私の、もと乃愛のこと忘れちゃってるだろうけど、なんだか久しぶりに来てしまったよ。全然ちょくちょく顔出せてなかった私が悔しい。占ツクで初めてどハマりした作品。ホコさん今でも大好きだよ。 (2018年4月3日 0時) (
レス) id: 13459ee81f (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 妹ちゃんいったい何者なんやぁぁぁぁぁぁっ← いつも楽しませてもらってます！これからも応援してるので頑張ってください！！(・∀・) (2016年11月19日 13時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - うーたん。さん» 続編出来ました！見てくださると嬉しいです！！ありがとうございます！ (2015年5月5日 18時) (レス) id: a001dadb5e (このIDを非表示/違反報告)
うーたん。 - 続編！？とても楽しみにしていますね♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2015年4月27日 0時) (レス) id: 11f7b338a9 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - マムさん» ありがとうございます。カッコいいだなんて！私の書く業君は変態になりがちなので、そう言って貰えてうれしいです。恋愛パート頑張りますね(笑) (2015年4月25日 22時) (レス) id: 28a3503210 (このIDを非表示/違反報告)
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