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第百二十四話 ページ35


息を吐いて、幸せを吸う
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「実は先生・・・人工的に作り出された生物なんです!!」

「だよね、で?」

自分自身を指さして、大げさにそう言った殺せんせーに対して、私たちの反応は
一言で言うのなら、普通だった。

「にゅやッ!?反応薄ッ!!これ、結構衝撃告白じゃないですか!?」

「・・・つってもなぁ、自然界にマッハ二十のタコとかいないだろ」

「宇宙人でもないのなら、そん位しか考えられない」

ですよねー。
このE組の底辺の私でさえ、彼が人工生物だと容易に想像できていた。

しかし、先生は予想外だったのか口に手を当て・・・・・・失礼、触手を当て
驚きを隠せずに固まっていた。

「知りたいのはその先だよ、殺せんせー」

そう。そうなのだ。
今、渚君が言ってくれたが私たちが知りたいのはその先。

多分、私たちがその先の話を知ってしまったら、元には戻れない。
この戻れないというのは、漠然とした私の考えというか勘で、確信や保障はない。

けれど。聞いてしまったら確実に何かが変わる。

「どうして、さっき怒ったの?イトナ君の触手を見て」

渚君の幼さが残る声が、閑散とした教室に響く。
先生は、口を開かない。

「殺せんせーはどういう理由で生まれてきて・・・何を思ってここに来たの?」

ゆっくり、語り掛けるように言った渚君の問いへの答えは
すぐには帰ってこない。

朝から激しく降っている雨音が、窓にあたりやけに大きく聞こえる。

「残念ですが今それを話した所で無意味です」

長い沈黙から返ってきたその言葉に、数人の生徒の肩がピクリと跳ね上がった。

「先生が地球を爆破すれば、皆さんが何を知ろうが全て塵になりますからねぇ」

「・・・・・・!!」

その言葉の意味は、私でも否応にも分かってしまう。
つまり、彼は教える気なんてさらさら無いのだ。

「逆にもし君たちが地球を救えば・・・君たちは後でいくらでも真実を知る機会を得る。
 もう、わかるでしょう」

はい。先生。
貴方が言いたい事は大体ね。

私は、彼が次につなげるだろうと思われる言葉を想像し、
結局は暗殺(それ)に繋がるのかと思って、無意識に口角が上がった。

「知りたいなら行動は一つ。殺してみなさい」

やっぱり。
どうやら、私達には殺すという手段しか用意されていないようだ。

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ねるね(プロフ) - きっとホコさん、もう占ツク離れしちゃってるだろうし、私の、もと乃愛のこと忘れちゃってるだろうけど、なんだか久しぶりに来てしまったよ。全然ちょくちょく顔出せてなかった私が悔しい。占ツクで初めてどハマりした作品。ホコさん今でも大好きだよ。 (2018年4月3日 0時) (レス) id: 13459ee81f (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 妹ちゃんいったい何者なんやぁぁぁぁぁぁっ← いつも楽しませてもらってます!これからも応援してるので頑張ってください!!(・∀・) (2016年11月19日 13時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - うーたん。さん» 続編出来ました!見てくださると嬉しいです!!ありがとうございます! (2015年5月5日 18時) (レス) id: a001dadb5e (このIDを非表示/違反報告)
うーたん。 - 続編!?とても楽しみにしていますね♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2015年4月27日 0時) (レス) id: 11f7b338a9 (このIDを非表示/違反報告)
ホコ(プロフ) - マムさん» ありがとうございます。カッコいいだなんて!私の書く業君は変態になりがちなので、そう言って貰えてうれしいです。恋愛パート頑張りますね(笑) (2015年4月25日 22時) (レス) id: 28a3503210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホコ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2013年10月20日 23時

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