【暗殺教室】私の存在理由ってなんですか。３

第九十三話 ページ2

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「――さん――Aさん。」

「・・・・・・！！」

誰かに呼ばれたような感覚と、全身が濡れている気持ち悪さで目が覚めた。

目を開けて最初に広がったのは、私が秘かに嫌っている男の顔と白い天井で
それを不愉快に思いながら身体を起こすと、制服からポタリと雫が落ちた。

「お目覚めですか。大分濡れていますがタオルでも貸しましょうか？」

「・・・・・・理事長。」

顔満面に胡散臭い笑みを浮かべる浅野理事長は、「はい。」と言って私に高そうな
ハンカチを差し出した。

よく見ると、制服だけでなく髪も濡れている。
身体や顔に張り付いて気持ち悪い。

私は差し出されたハンカチを躊躇(ためら)うことなく受け取り、一気に
全身を拭く。

「あの、ここはどこですか？というか、何で理事長が？」

水分を吸ったハンカチを理事長に返しながら問うと彼は足を組みながら
私を見据えた。

「覚えてないんですか？貴方は先ほど、倒れたのですよ？道端で。」

言われればそうだった気がする。
あの時最後に見た景色は、一組の男女が傘を差している光景。

誰だったのかな・・・・・・？知ってる人の気がする。
というかそもそも、何で私は倒れた？

「軽い貧血のようですね。一応私が通りかかったので、此処に運ばせていただきました。」

心の中の疑問に対する言葉に、背筋がゾワッとした。
因みにここは、学校の保健室らしく薬品の匂いが鼻に付く。
見渡せば簡易用のベットは、私の使っているの以外全て空で救護の先生さえも
見やたら無い。

「救護の先生は？」

「どうやら、出張らしいです。」

・・・・・・なるほど。
つまりこの空間には、今私とこの理事長しかいないわけですか。

って、落ち着いてられるかああああああああ！！
何で！？何でなんですかッ。
こんな密室で私は何故、危険人物(理事長)と一緒にならなくてはいけないの！？

何時の間にこんなデットオアライブな状況に・・・・・・！？

「過去に戻りたい。」

「何か言いました？」

ぼそりと呟いた言葉は危うく、目の前の危険人物に聞かれるところだった。

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