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79.ファン ページ39

A「え…こんなに?」


一時退院も明日で終わる。また明後日からリハビリ生活で病院から学校に通う。

部屋でうたと遊んでいると社長と恵美ちゃんが来て、ダンボールが大量に置かれた。


篤志「朝、事務所の方に届いてね。」

恵美「ファンからの手紙とか色紙とかこんなにたくさんあるんだよ!」

A「すごい…ありがとうございます、あとで読みますね。」


社長達が部屋から出て、ダンボールを開ける。本当に手紙や色紙がいっぱいだ…すごい。


『Aちゃんの怪我が治りますように』
『Aちゃんの歌ってる姿をもう1度見たい』
『楽しく歌うAちゃんが大好きです』
『辞めないで!』


A「…。」


私が芸能界を辞めるのを前向きに考えてるというのは事務所を通して伝えてもらって、ファンは離れていくと思っていたのに私のためにこんなに書いてくれてたんだ…。

私のイラストがあったり、学校の皆で書きましたって色紙もあったり、手紙の中には涙が落ちた跡もあった。


A「こんなこと言われたら辞めたくなくなるじゃん…。」


コンコンッ


A「はい!」


ガチャッ


遙日「これ、楽さん達に渡されたんだけど持ってきた!」

A「え?何だろ…ありがとう。」

唯月「TRIGGERのファンがAに手紙を書いたんだって。」

A「も、文句だったらどうしよ…(汗)」

遙日「読んでみなよ!」


遙日に促されて紙袋の中の手紙を読む。


『私は楽さんのファンです。あの時、楽さんを守ってくれてありがとうございました。Aちゃんの怪我が早く治りますように。』
『あのライブにいました。移籍してからのAちゃんはかなり生き生きしてて、見ててすごいこっちも楽しくなりました。アイドルを辞めることを前向きに考えてるなんて言わないでください。』


A「っ…。」

唯月「皆、Aに辞めて欲しくないんだよ。」

遙日「俺達からもお願い。Aの考えもあるけど、歌うことを辞めて欲しくない。」

A「…ちょっと1人になってもいい?」

唯月「わかった。うた、おいで。」

うた「ニャー」


唯月と遙日がうたを連れて部屋を出る。そろそろはっきりさせないといけない。私の考えを優先するって社長も言ってくれたけど…

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作者名:はくまい | 作成日時:2019年6月17日 13時

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