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72.痛み ページ32

A「ん…?」


目が覚めると、ここは病院みたいだった。そっか、私あの時…。

所々身体に激痛が走って動かせない。骨でも折れてるのかな?


唯月「A?」

A「ゆ、づき?」

唯月「良かった…お医者さんと看護師さんに言って皆にも連絡してくるね。」


唯月が病室を出て行く。時計を見ると、ライブの日から3日も日にちが経っていた。

唯月、隈が少し濃かった。もしかしてずっと寝てないのかな?


ガラッ


唯月「皆、来てくれるって。」

A「ありがと。」

唯月「その怪我のことだけど…顔とか身体の傷跡は残るのと、足が一生動かないかもしれないって。」

A「そっか…別にいいかな。」

唯月「先生はもしかしたら足はリハビリしたら動くかもって言ってたよ。」


良かった、リハビリしたら少しでも足が動く希望はあるんだ。

唯月にさっき決心したことを伝えるために唯月の方に顔を向ける。


A「…私、今回のこともあったしアイドル辞めようと思うんだ。」

唯月「え?」

A「何年後に大学卒業して、アイドルを支える側になろうって思ってる。」


鏡で見てないからどんな傷かはわからないけど、顔に傷が残るならアイドルの仕事も来るはずがない。


唯月「辞めなくても…」

A「昔好きだったアイドルが同じ事故に遭って、今はアイドルを支える側になってるの。」

唯月「…。」

A「それもいいと思うんだ。支える側もかっこいいじゃん。」


でも、いつか皆と合同ライブをして歌うのが密かな願いだった。

それもこの怪我のせいで叶わないと思うと思わず涙が溢れ出る。


唯月「A…。」

A「弱音ばっかでごめん…リハビリ頑張って足動くようにしないとね!」


皆も来てくれるから泣き止んで笑顔になれるように頑張る。

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作者名:はくまい | 作成日時:2019年6月17日 13時

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