8話 ページ8
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ー菅原side
日向)『･･････菅原、さん？』
あの子が俺の目の前を去ってから、何分経ったのだろう。
俺を待っていたであろう、後輩の日向が俺の名を呼んだ時、ようやく我に返った。
「･･････ごめんなー、今買うから練習して待っててくれ！」
やや遠くで柱から顔を覗かせる日向へ大きめの声を張ると、顔をパッと明るくした。
その姿を見て、思わず息が漏れる。
また会いたい。
また話したい。
そう思っていた君に、この間と同じ場所でまた会えたのに俺は何をしようとしていたのか。
君を見つめれば、ほんのり赤くする頬を見て俺は何を思ったのか。
きっと俺は子供心のようなもので君の反応を楽しんでいた。
･･････だって、可愛かったから。
何も知らない君の事。
会って二日目の俺達。
馴れ馴れしかっただろうに。
嫌だっただろうに─────。
──────･･････
高くて真っ青な空へ向けてボールを上げる日向の姿を見て、思わず笑みが零れる。
何事にも一生懸命で元気な彼を見ると俺も頑張ろうって、そう思えるんだ。
「日向、お待たせ！これは先輩の奢りだっ。」
日向)『あざっす！菅原 ”先輩” ！』
”先輩” なんて言われて少し照れくさい。
子供は好きな方だし、面倒を見ることは嫌ではない。
決して日向が子供だと言っているわけではないが。
「チャイムなるまで先輩とびっしり練習だっ！」
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作者名：充電アダプタ | 作成日時：2021年4月11日 14時
