6話 ページ6
・
ーAside
菅原)『俺、飲み物買ってくるけど日向何飲むか?』
ひなた・・・・・・と呼ばれた派手な髪をした少年は声を張って ”オレンジジュース” と言う。
って、そう思っている場合じゃない。
こっちに来る。
彼がこっちへ来る。
・・・・・・──────
菅原)『あっ、』
「・・・・・・っ、!」
あたふたしていた時、頭上から聞こえたのは先程まで遠くで聞こえていた彼の声。
明らかに私に向けての ”あ” だ。
「あ、いや・・・・・・別に、盗み聞きとかそんなんじゃなくて、たまたま。」
自分でも分かる、馬鹿らしい焦り具合に恥ずかしさが込み上げる。
菅原)『・・・・・・?なんでそんなに焦ってるの笑』
可笑しそうに眉を上げて笑う彼に呆気に取られる。
・・・・・・可愛い。
ただ、そう思っただけ。
「・・・・・・飲み物、買うんだっけ?そろそろ私は失礼します。」
邪魔しちゃあ悪いと、退散の姿勢を作った時
菅原)『話、聞いてたんだ・・・・・・笑』
なんてまた笑う。
・・・・・・引っ掛かった。
帰るタイミングを逃し、もう逃げられない。
ちゃっかり私の前に仁王立ちになって通せん坊。
「待たせてるんじゃない?そろそろ戻りたいんだけど。」
そう言いながらも、本当はもっと君と話したいって思っている。
・・・・・・でも実際そんな事言えるわけがなく。
菅原)『だーめ、まだ話は終わってないべ。』
・
75人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:充電アダプタ | 作成日時:2021年4月11日 14時