16話 ページ16
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ー菅原side
授業合間の休み時間。
”いつもの場所” に行けば大抵、君が居る。
君の話。
俺の話。
互いに互いを知って。
また笑い合う。
やや段差になっているコンクリートへ、二人並んで腰をかける。
俺と君との距離は僅か数センチ。
君の肩が触れる度に俺の心臓はおかしくなる。
だが、それに比例して
もっと近付きたい。
もっと触れたい。
そう思ってしまう俺は気持ち悪い？
･･････俺だって、健全な男子高校生だけど。
この想いはきっと一方方向であって、君の想いと交わるわけが無い。
･･････わけがないのに。
君の赤くなる頬を見て少し期待してしまう単純馬鹿な俺。
A)『･･････菅原、くんはさ。』
沈黙の間を先に破ったのは君だった。
名前を教えてから、俺を ”菅原くん” と呼ぶ君。
名前を覚えてくれて嬉しいのに。
”下の名前で呼んで欲しい” という少しの独占欲。
「･･････下の名前で呼んでよ。孝支、って。」
そう言って君の横顔を見つめる。
よく見れば、サラサラの前髪から覗かせる長い睫毛に改めて女の子だなと感じさせられる。
A)『･･････なんで、よ。』
一瞬、俺を横目で見た後、直ぐさま逸らす彼女は口を尖らせている。
名前で呼び合うの、苦手だったりする･･････？
なんて、油断していた俺が悪かった。
A)『こ、うし。』
距離が近いからか、君は小声だったがしっかり俺の耳に入った。
真っ赤になる君を見るなり、俺も途端に身体が熱くなる。
A)『･･････って、なんで無反応なの。』
「いや･･････、今だけこっち見ないで、」
A)『そっちだって見つめてきたのに。』
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作者名：充電アダプタ | 作成日時：2021年4月11日 14時
