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太宰の諭すような声に、言葉に。心の内で猛省する気持ちが湧いた。


普段の彼からは考えられない言動だからこそ、響くものがあった。




「_____ご、ごめんなさい」


『しっかり回復するまで異能は使わないと、約束できるかい?」


「はい………ちゃんと休みます」



『偉いねぇAちゃん。という訳で_____』








『大人しく捕まってね?』




太宰の謎の宣告に疑問を発しようとした瞬間、知っている香水の匂いがふわりと鼻を擽った。


電話を耳に当てたまま固まる彼女の腕ごと抱き寄せられる。

片耳に、悪戯が成功して喜ぶ子供のような太宰の声。もう片耳は____。








「やァッと見つけたぜェ」





聞き慣れた低い声。


視界の端に、ウェーブのかかった樺色の髪が映る。


金魚のように口をはくはくさせ、声が出ない様子のA。

そんな彼女へ追いうちをかけるように、太宰から無慈悲な言葉が贈られた。



『御免ね?中也に居場所、話しちゃった☆』


「ッ!?なんで知っているのですか?」


『んふふ、ヒントはGPSだよ』




ほぼ答えだね、と太宰は呑気に話す。

Aには彼のヒントなんてものは耳に入っていなかった。


『居場所、話しちゃった☆』という無慈悲な宣告だけが脳内を支配する。




「ッ!この唐変木、包帯無駄使い装置ッ!!」


『うッ!国木ぃ田君に云われるより刺さるねッ…!』


「恨みますよ太宰さんッ!」


『いいねぇ!そのまま一緒に心中しようじゃな』((ブチッ




何者かに通話を切られたお陰で、太宰の言葉の続きを聞くことは叶わなかった。


………聞かなくて良かったのかもしれないが。



犯人は云わずもがな、彼女を後ろから抱きすくめる男のみである。




「よォA。あの青鯖に協力を仰いだのが間違いだッたな」


「お兄ちゃんが余計な事を云うからでしょ。何故か2号と3号にも探されてたし…」


「!……そこまで気づいてやがッたか」


「情報収集は本業だもの。それに、視えてたから」




すると、Aの前に二つの人影が落ちた。

仄かに香る匂いは背後にいる兄と同じで、その情報だけで影の正体が分かる。




『______捕らえたのか』


「あァ、丁度な。協力感謝するぜ」




今の中也とほぼ恰好が同じな2号の言葉に、彼は礼を述べた。


なんだかんだ云って仲の良いチーム三兄弟。

最初の頃はあんなに険悪な空気だったのに、とAは密かに溜息をついた。



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雪見だいふく - このシリーズ大好きなので、続編書いて欲しいです!リクもさせていただきたいので、よろしくお願いします! (2021年10月22日 18時) (レス) id: 0b9e52d702 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 続編をお願いします! (2021年10月21日 22時) (レス) @page49 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみませんゴーゴリのヤンデレは…… (2021年10月5日 1時) (レス) @page45 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 上手だと思いますよ、棒人間しか書けない私にとっては羨ましいです。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - フョードルの制裁論お願いします (2021年8月22日 7時) (レス) id: 68ec6172c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2021年2月22日 21時

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