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「でも織田作なら書けるさ。__あっちの世界(・・・・・・)では、あんなに素晴らしいものを書いたのだから。それも歴史に名を遺すくらいの、ね」




私だけが知っている世界。__ "前世"の私がいた世界。
そこでの織田作之助といえば、『文豪』と呼ばれる作家のひとりだった。

____ 私だけが知っている。私にしか分からない"天衣無縫"。




『あっちの世界?』

「…いつか話すよ。女に秘密の一つや二つはつきものだろう?」

『…そうだな。その方がAらしい』

「それ褒めているのかい?」


むぅ、と拗ねたような顔をしてみせれば、織田作はうすく笑みを浮かべて私の頭を撫でた。

大きくて、温かい手。


思わず涙が零れそうになる。

「…よし、もう行くよ。織田作」


泣きそうになっている事を悟られないように。
私は立ち上がって、彼に笑みを向けた。

「また来るから、楽しみに待っていてよ」
















__私は目の前にある"墓標"に手をあわせた__




今までのやりとりが、現実だったとしても。……幻想だったとしても。

私にとっては何方でも構わなかった。


………でも、でもね。




「織田作ッ……会いたいよォ」





ポタリ、と地面に零れた涙は……現実だった。


本当は笑顔でサヨナラをしたかったのに。

…御免、今だけ。すぐに笑って見せるから。


「うッ…く、うう…」

今だけ、泣かせて…。


*→←幻想だとしても【織田作之助】



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紅月ミレー - リクありがとうございました(*^□^*) さっそく、読みました羅生門可愛いですよね(〃ω〃) モフモフしていそうですもんね、芥川様がちょっぴり可哀想でした(´;ω;`) (2020年12月15日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - ハルさん» はい、分かりました(*^□^*) 楽しみに待ってます(v^ー°) (2020年12月13日 9時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コメントありがとうございます!無理矢理終わらせた感が否めないですが…。僕くんはあと少しで書き終わりますので、もうしばらくお待ちくださいm(__)m (2020年12月13日 0時) (レス) id: dca913437b (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - リクの続きありがとうございました(*^□^*) 中也様と仲直りして良かったですね(o^−^o) そして、やっぱり最後は爆破イタズラで大成功でしたね(^皿^) (2020年12月9日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 太宰治様と一緒に仕返し作戦、一体どうなるか楽しみです(v^ー°) もし、中也様にバレたら…見られたら((((;゜Д゜))) 物凄くお仕置きが待ってますね(o^−^o) (2020年12月7日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2020年10月26日 23時

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