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*Extra* ページ37


手を振ってくれる名探偵さんに会釈をして、私は探偵社を後にした。
エレベーターに乗り込んだところで太宰さんの手が離れる。

____ 彼がボタンを押すために背を向けた瞬間。

私の異能が何故か発動し、突如今から数十秒後の未来が視えた。



…嘘、何で…


何で"お兄ちゃん"がいるの…?


このビルの入り口前で、"お兄ちゃん"が待っている。

信じられなくて。信じたくなくて。


「…あらら、視えちゃったかな?」

片眼を押さえてフリーズする私を横目に、太宰さんは薄気味悪い笑みを浮かべた。

まさか…!ウザいくらい私にくっついていたのはッ!


「…お兄ちゃんに、私の居場所をリークしましたね」

「流石だね!理解が早くて助かるよ」

「触れることで私に未来を視せないようにしてまで…」


私は気丈に振舞いながらも、じりじりと後ろへ。
エレベーターの壁に自らの背を押しつけながら思考を巡らせる。

此処から脱出するのが得策だが、入り口の真ん前に彼がいるためこの策はボツ。

………今から異能で"未来"を変えるか。

ギリギリ間に合うかもしれない。
彼は今、やっと一階に降りるボタンを押したところで、私に意識は向いていない。

しかし回避できたとしても、間違いなくその後は一週間動けないだろう。

_________ でも、この策しかない。あったとしてもこれ以上思いつかないから。


「、ッ『異能りょ、ッ___ 」

「__だから、ダーメ って言っただろう?」


脳内で未来を指定したところで、無効化された。
それと同時に片手で腰を引き寄せられ、細く長い指を唇にあてられる。

高身長でイケメンな太宰さん、さぞ絵になる光景でみんな見惚れてしまうでしょう。
でもね、私はそんな彼に見向きをせず必死に逃走を図っていますよ←

「あんまり暴れないでくれるかい?」

「離してくれるなら考えましょう」

「そんなに避けなくても。中也なら反省してるっぽいし、大丈夫さ」


ほら、お迎えだ

エレベーターの独特な音が鳴り、両扉が開く。
背後から押されて強制的に外へ出されると____ やっぱりいた。私の予知通り。

目の前にいた人物の瞳が、私という存在を認めた途端。
ツカツカと歩み寄ってきて私の腕を引っ張る。


「Aにベタベタ触ンじャねェ、クソ太宰」

「おや、恩人に向かってそんな口を聞いていいのかい?私が無効化していなかったら今頃永遠と鬼ごっこしていたのだよ?」

太宰さんが煽る様に言うと、お兄ちゃんは盛大に舌打ちをした。


*Extra*→←*Extra*



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紅月ミレー - リクありがとうございました(*^□^*) さっそく、読みました羅生門可愛いですよね(〃ω〃) モフモフしていそうですもんね、芥川様がちょっぴり可哀想でした(´;ω;`) (2020年12月15日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - ハルさん» はい、分かりました(*^□^*) 楽しみに待ってます(v^ー°) (2020年12月13日 9時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コメントありがとうございます!無理矢理終わらせた感が否めないですが…。僕くんはあと少しで書き終わりますので、もうしばらくお待ちくださいm(__)m (2020年12月13日 0時) (レス) id: dca913437b (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - リクの続きありがとうございました(*^□^*) 中也様と仲直りして良かったですね(o^−^o) そして、やっぱり最後は爆破イタズラで大成功でしたね(^皿^) (2020年12月9日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 太宰治様と一緒に仕返し作戦、一体どうなるか楽しみです(v^ー°) もし、中也様にバレたら…見られたら((((;゜Д゜))) 物凄くお仕置きが待ってますね(o^−^o) (2020年12月7日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2020年10月26日 23時

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