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「ゲーム…?」

「そう!此処の面がね、どうしてもクリア出来なくてね」

「…中原幹部に頼めば」

「お兄ちゃん怒ると絶対ゲーム機を潰すもの、重力で」


お兄ちゃん短気だし、と私が続けて言えば何処か納得したような顔をした立原君。
部下にもそう思われてるのか…。
上司として大丈夫なのか?お兄ちゃん…。


「それにこの後一時間は何もないよ?立原君」

「え、そうなのか?」

「んふふ、私を誰だと思っているんだい?予知は出来てるよ☆」


ドヤ顔をして見せたら深々とため息をつかれた←
私からゲーム機を受け取った立原君は向かい側のソファの腰掛ける。



「これか?」

「うん!立原君ってゲーム得意だったりする?」

「まぁまぁだな、やって見なきゃ分かんねぇ」


そう言って早速始めた彼の後ろに回り、座っている彼の肩越しに画面を見つめた。

最初のギミックを難なく突破し、私が苦戦していた場所も初見でさらっと通過してしまった。
え、上手くね?…え、もしかして私が下手なの?

ゲーム機からは早々にクリア音が流れてくる。
ふぅ、と息をついた立原君は背後にいる私に視線を向けた。


「…簡単だったぞ」

「嘘ぉ?…私あんなに苦労したのにぃ〜」

拗ねたような顔をすれば、彼は困った様に笑った。

「で、これでいいか?」

「待って!まだある、あるから!」

私の技量じゃ難しいところがいっぱいあるの←

いつもお兄ちゃんにやるように。
私は目の前の首に腕を回して抱きついた。


「ちょッ!?」

「次はこの面ね、序盤は大丈夫なんだけど最後がさぁ」


立原君が慌ててるようだけど、私は気にしない←

そのまま後ろから覗き込んで何処が難しいかを熱弁する。
どうせなら彼にも全クリを手伝ってもらおう、と企みながらね(笑)


すると扉が開く音がした。

立原君から手を離して横を向くと、腕組みをしたお兄ちゃんが立っている。
それもとんでもない殺気を放ちながら…。

抑えてはいるんだろうけどね?立原君は怯んでいるし、私も動けない。


「よう、立原。何か用だったか?」


「い、いや書類を届けに来ただけっす…」

「そ、そうだよ!でね、私がゲームやって、って頼んだだ、け…」

ビシバシと殺気が私を刺してくる。
彼を助けなきゃ、と必死で発言したが逆効果だったかもしれない。

「そういえば、手前のこと広津が探してたぞ?」

「「え」」

嘘だ。私が見た未来には呼ばれるのは二時間後のはず。

*→←嫉妬深い説【ver.中原中也】



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紅月ミレー - リクありがとうございました(*^□^*) さっそく、読みました羅生門可愛いですよね(〃ω〃) モフモフしていそうですもんね、芥川様がちょっぴり可哀想でした(´;ω;`) (2020年12月15日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - ハルさん» はい、分かりました(*^□^*) 楽しみに待ってます(v^ー°) (2020年12月13日 9時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コメントありがとうございます!無理矢理終わらせた感が否めないですが…。僕くんはあと少しで書き終わりますので、もうしばらくお待ちくださいm(__)m (2020年12月13日 0時) (レス) id: dca913437b (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - リクの続きありがとうございました(*^□^*) 中也様と仲直りして良かったですね(o^−^o) そして、やっぱり最後は爆破イタズラで大成功でしたね(^皿^) (2020年12月9日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 太宰治様と一緒に仕返し作戦、一体どうなるか楽しみです(v^ー°) もし、中也様にバレたら…見られたら((((;゜Д゜))) 物凄くお仕置きが待ってますね(o^−^o) (2020年12月7日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2020年10月26日 23時

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