入塾希望 ページ1
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A「あのー、、、すみませーん」
え・・・誰もいないの？
「あいあいー！ちょっと待ってくださいー！」
奥の方から大きな声が聞こえた。
少し待つと、奥から小さな声で「えっさ、ほいさ」と言いながら、男の人が小走りで出て来た。
「すんません！えらい待たしてもうて！」
A「あ、いえいえ」
「僕が塾長の村上です」
そう言って名刺を渡された。
A「昨日お電話しました上野です」
村上「あいあい。じゃあこっちに」
村上さんの後をついて行く。
スーツなのに、足元はクロックス。
顔はカッコいいのに、ダミ声。
ふふっ。
応接室に通され、ソファに促された。
村上「えー、入塾希望ってことで。
何年やった？高2？」
A「はい」
村上「高校は？」
A「F高校です」
村上「あらまぁ、カシコやんか」
A「ぷっ」
村上「ぷっ、って！初めて聞いたわ！」
A「あたしもカシコって初めて聞きました」
村上「そんなんええねん！え、誰かの紹介？」
A「母がチラシを見て」
村上「あぁー、そうですか」
A「はい」
村上「学校の勉強は？どない？」
A「それが、、恥ずかしながら全然ついて行けてなくて…。元々ギリギリで合格したので…」
村上「ほぅ。ギリギリでもなんでもF高入れるってすごいで」
A「・・・」
村上「志望大学は？」
A「今のところK大を」
村上「偏差値的にはどう？」
A「足りてないと思います」
村上「んー、おっけ。いつから来る？」
A「えっ、と、、、」
村上「あぁ！それと大事なこと忘れとった」
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作者名：たまき | 作成日時：2017年6月21日 23時
