19 出会い ページ20
マイキーside
───────
「ケンチーンなんか面白いことない?」
「あ"?んなもん自分で探せや」
「えーー、ケンチンのケチ」
平日の夕方。集会までは時間があるし、特に何もやることがない暇な時間。
ケンチンの自転車の後ろに乗って何か面白いものはないか、と探す。
でもそんな簡単に見つかるはずがなく、いつもと変わらない退屈な時間だけが流れていた。
「あー、なんか面白いことないかなー。喧嘩売られるとかさ」
「んなもんしょっちゅうじゃねーか」
「んーー、じゃあしりとりする?」
「しりとりって、餓鬼か」
「そんなに言うならケンチンが面白い話してよ!」
「はー?だからなんで俺が、、」
ぶつぶつ文句を言うケンチン。あーあ、暇だな、、なんて思っていると何処からか歌声が聞こえてくる。
「ねぇ、ケンチン。なんか聞こえない?」
「ん?あー、歌、か?」
「あっちの方からだ。行ってみよーぜ」
歌声の聞こえる方に近づいてみると、俺らと同い年くらいの女が自転車を漕ぎながら1人で歌っていた。
「1人でこの音量かよ」
やべーやつだと笑うケンチン。
「おもしれーやつ。後ろついてってみよーぜ。」
少し興味が湧いたおれは、その女について行ってみることにした。
「.....気付かねぇ」
俺らが後にいるのにも関わらず、そいつは気付く素振りもない。
「逆にすげーな。」
「同感....よし!声かけてみるか」
「は、マイキーお前まじかよ」
やめとけってと言うケンチンを無視して声をかける。
「おねーさん歌上手いね」
そいつはビクッとして転びかけそうになりながらもなんとかブレーキをかけてこっちに振り返り、俺らを見て顔が青くなる。かと思ったら顔が真っ赤に染まった。
(カラフルな奴だな)
『あ、あの、、聞いて、ました?ははは、、』
「おう、ガッツリな。てか早く俺らいること気づけよ」
ケンチンが揶揄うと、もっと顔を赤くして目が泳ぎ始める。
『いいじゃん。上手かったし、下手だったらキレてたけど』
「え"」
「あはは、うそうそじょーだん。本気にした?」
『あ、はい、ははは、、』
明らかに絶望した表情を浮かべるそいつに、俺は何故か強く惹かれていた。
表情豊かなそいつを、、もっと近くで見ていたい。そう思った。
それが俺とAの出会いだった。
211人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜雨(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします! (2021年12月10日 2時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 待ってました!最高です( ; ; )1回読んで、また同じところ何回も読んでます。更新頑張ってください!応援してます。 (2021年12月10日 0時) (レス) @page40 id: bc1eb98a2f (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございますㅜㅜとてもうれしいです!!明日は投稿するので、そちらも楽しんでもらえたら幸いです!ほんとうにありがとうございます!! (2021年12月5日 1時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 毎日めっちゃ楽しみで、マイキーの夢小説のなかで一番胸きゅんで大好きです!普段の何気ない生活にこんなワクワクさせてくれるお話は初めてです。引き続き更新楽しみに待ってます(*^_^*) (2021年12月5日 0時) (レス) @page35 id: bc1eb98a2f (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - はなさん» 外したつもりが着いていました、、コメントほんとにありがとうございます( ;; ) (2021年11月16日 18時) (レス) id: c5510bc437 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜雨 | 作成日時:2021年11月13日 20時